新型MIRAI、即納状態です。電気自動車や燃料電池車のような環境対応車、日本じゃなぜ売れない?
新型MIRAIの販売台数が思ったより伸びていない。車格や性能を考えたら絶対お買い得である。710万円スタートで、都市部なら200万円近い補助金が出るため500万円。同じクラスのガソリン車と比べたって競争力あると思う。こう書くと「水素ステーションが地方には無い」という声も出るだろうけれど、輸入車だって都市部でしか売れていない。何より話題にあがらないです。
上が最新の状況。新型MIRAI、即納状態なのだった。新型MIRAIの売れ行き不振、理由はよ~く解る。環境問題を前面に出しすぎているからだ。日産がリーフを出した時もそうでした。売る側は環境対応車=カッコ良いと考えます。けれど買う側だってオロカじゃ無い。現時点での電気自動車や燃料電池車が環境にやさしいかとなれば、そうじゃないということは理解しているのだった。
そもそも環境問題の本質は「ゴミ掃除」や「ゴミを出さない運動」。クルマの技術で言えば「新型車の開発」でなく「解体の簡素化」。前向きの技術と言えず、どちらかといえば地味な方向性です。100歩譲ってバック・ツゥ・ザ・フューチャーのように「ゴミをエネルギーにしたタイムマシン」なら前向きながら、日本は電気自動車も燃料電池車も「マイナスのカバー」という方向性。
頭良すぎるんだと思う。私は仏教徒ではないけれど、例え話によ~く出るのが親鸞さんと日蓮さん。親鸞さんが説く「南無阿弥陀仏」の無常観は鎌倉時代から知識人達に強く支持されてきた。一方、日蓮さんが広めたのは「慈悲の気持ちを持って頑張りましょう!」とタイコを元気よく叩きながら「南無妙法蓮華経」を唱えるだけで御利益あるという明るい前向きの人生だ。
クルマの楽しさって後者だと思う。慈悲の気持ちは大切ながら、楽しさで前を引っ張らないと魅力無し。同じ電気自動車でもテスラが元気なのは、環境問題より楽しさを前に出しているからです。そもそも南無阿弥陀仏の方向性だと、食べ物も必要最小限が是。クルマでいえば、アルトかミライース。いや、自転車で過ごせって話です。クラウンを凌ぎレクサスLSに匹敵するクルマにならない。
電気自動車や燃料電池車を売りたいのなら、タイコ叩いて元気一杯にクルマの新しい楽しさを訴求しなければならない。初代MIRAIの場合、イキナリ新城ラリー用の0カー作ってました。私のお馬鹿なチャレンジも、MIRAIに乗っている人や開発に携わっていた人からすれば、ささやかながら明るさや楽しさを感じてもらえたと思う。しかし新型MIRAIのプロモーションは親鸞的だ。
「クルマには楽しさや元気さが必要」ということを一番理解しているのはモリゾウさんです。だからトヨタがぶっちぎってる! ちなみに新型車の売れ行き、デビュー前の半年とデビュー後の3ヶ月で、ほぼ決まる。3月26日時点の納期1ヶ月は相当厳しい評価だと思う。今年デビューするARIYAも同じ。タイコ叩いて出てこない限り、手応えのある売れ行きにならないだろう。
環境対応車に関わっている皆さんは「ゴミ掃除は必要ながら、クルマという商品には明日綺麗な花を咲かせるための種まき」の方が似合ってることを考えたらいいと思う。これでタイコ叩きながら水素エンジン車が出てきて素晴らしい音を響かせながらサーキットなど走り始めたら、皆さん燃料電池は考えなくなっちゃいます。MIRAI応援団としちゃ隔靴掻痒の気分であります。
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