昨日の続き

昨日のTOPの続き。いすゞのポスト新長期対応フォワードが巡航状態だと規制値の3倍のNOxを出す件、ある筋から「乗用車だってアクセル全開にすれば基準値以上の排気ガスを出すのでは?」という突っ込みを頂いた。その通りである。ガソリンエンジジンは全負荷状態になると、
壊れないよう燃料冷却を行う。

燃費悪くなるものの通常より濃い燃料を吹き、気化熱で燃焼室温度を下げようというもの。当然の如く濃い雰囲気となるため完全燃焼にほど遠くなり、大量のHC(燃え残りの燃料。
臭気を伴う)をまき散らす。一世代前の日本仕様のエンジンは、少しアクセル踏んだだけで燃料冷却モードに入ってしまった。

こうなると厳しい排気ガス規制もヘチマも無い。有害な排気ガスを出してしまう。ちなみに高負荷運転が普通の欧州車はステンレスのエキゾーストパイプや、排気側にナトリウ
ム封入バルブを採用したりして燃料冷却のシキイ値を大幅に上げている。だから日本車と比べ連続高速しても燃費いいワケでございます。

ただその場合、あくまでイレギュラーな状況であり、エンジンを守るための対策。普通の人が普通の状態で走ったら、燃料冷却しなければならないコンディションにならない。常用時の排気ガスが汚くなるのだから、大気汚染に苦しむ都会だと問題大きいです。ただ燃費低減=二酸化炭素排出量の低減でもある。

参考までに書いておくと、全回転域/全アクセル開度で完全燃焼させているエンジンが一つだけある。現行プリウスに搭載されている1,8リッターで(1,5
リッターは全開で燃料冷却していた)、アクセル全開でもストイキ燃焼をキープ。そういった点から評価してもプリウスの環境性能たるや素晴らしいと考えま
す。

・ECOカーアジアは「デミオの価格、新聞でスクープ

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3 Responses to “昨日の続き”

  1. 小林 英弘 より:

    まさに一世代前のウチのトルネオ君が高速の追い越しでアクセル踏み込んでVTECカマした瞬間に燃料計がひと目盛り下がる(笑)理由が分かりました(哀しい…)。無限のステンエキマニにでも換えましょうか?
    …しかしそこまで考えて壊れないようにしっかりエンジンや排気系を作り込んでる欧州車が「外車(=欧州車)は壊れる」と言われ続けてきたのは何故なんでしょうか? 何か不思議です。

  2. アミーゴ5号 より:

    「燃料冷却」は、ただ冷却のためにガソリンを使うというエンジンの必要悪であり、技術で超えていくべきだと思います。
    プリウスは、さすがというべきが当然というべきか・・・
    直噴がひとつの解決策ですが、そういえばホンダは直噴化しませんね〜。

  3. G35X より:

    その昔、兼坂弘さんは「オレは役人ダマシの発明の専門家だった」とその著書の中で書いていました。ISUZUはその伝統を守っているのでしょう… 他社のガソリン車でも彼が「悪魔の発明」と呼んだものがありました。 それにしても、ガソリン冷却もまだ行われているのですね! 高温で酸欠の燃焼室にガソリンが残っていれば炭素と水素が分離し、排気管に煤がこべり付きます。ターボ車にこの現象をよく見ます(例、BMW335i)。高出力時の冷却のためか、暖機運転時の現象か、ターボ立ち上がりの遅れによるものか… 

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