次期型エルグランド、残クレの残価設定をアル/ヴェルと同レベルに出来るかが大きな課題

次期型エルグランドについて書くと、「買わない皆さん」がワケワラカン主張をする。なぜ買わない皆さんだと解るのか。こらもう簡単。アル/ヴェルを買う人は少なからぬ割合でリースや残クレを使う。アル/ヴェルの残価、3年で70%と驚くほど高い。600万円であれば420万円だ。現金で買った人の3年後&5年後の残価率は70~80%といった状況。

日産は次期型エルグランドの残クレで70%の残価設定を出来るんだろうか? 間違いなく出来ない。なぜかといえば自信がないからだ。70%と設定したのに中古車相場低ければ大損となってしまう。そんなのイヤでしょう。当然ながら確実なセンを考える。一般的に50%かと。となると600万円のエルグランドに3年乗ると300万円の値落ち。アル/ヴェルなら180万円だ。

新車価格は同じ600万円だったとしても、実際掛かる金額で300万円と180万円。本当に購入するような人なら迷わない。エスピノーサ社長が「残価を70%にしろ!」と言えば実現するだろう。その場合、3年後に引き取ったクルマが480万円以上で売れなければ日産が(正確にはディーラー)損をすることになる。3年後に手痛い赤字を喰らうことになります。

同じことがアメリカで現在進行形だったりする。アメリカは基本的にリース販売で、3~5年後にクルマを返却する。日産車は人気がないため、インセンティブ(値引き)を出し、リース金額を引き下げている。毎月5万円のリース料金が4万円になれば競合他車より安くなるワケ。されどインセンティブ出して安くリースしたクルマは3~5年後に戻ってくる。

人気車なら中古車として高く売れるため、2度儲かる。不人気車だと中古車相場も安くなってしまう。ここでディーラーは赤字になるため、アメリカ日産が補填しなければならない。これまた収益率を大きく落とす。2年くらい前から日産は不人気車にインセンティブを出しており、そいつが2026年あたりから戻ってくる。ここで再び赤字を出すということです。

という状況を知らない人ほどエルグランドを評価する傾向だったりする。

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6 Responses to “次期型エルグランド、残クレの残価設定をアル/ヴェルと同レベルに出来るかが大きな課題”

  1. 元日産ファン より:

    元日産ファンです。

    我が家のミニバンが買い替え時期なのでエルグランドの登場を首を長くして待っていました。
    (本音はアルファードが買えなかった)
    もちろん先日のJMSにも観に行きました。

    エルグランドのデザインがなかなか消化できず、色々な角度から邪魔にならないところでかなり長時間観てました。

    すると観た人たちの声(評価)が聞こえてきて、それがまた面白くて。

    声をまとめると「厳しい」意見がほとんど。
    最初は珍しさもあり売れるでしょうが、落ち着くと「厳しい」でしょうね。

    もう勝負するには価格しかないかと。

    競争のない市場は不健全なのでぜひエルグランドには頑張って欲しい、と思います。

    さて、、、自分は、、、答えは出ましたが自粛。

  2. 大字葛飾字 より:

    もともと、アルベル残価でいろいろ言っている人たちは
    購入しない人達ですから。
    トヨタ(国産車)の残価は特別なことが無い限り決まっています、なおかつ契約中でも高額で処分できれば終了できるので人気車種であれば負担なく購入できるので問題の無い方法だと思います。金利は全額にかかりますが。
    外車は残価設定で購入すると最終に査定が必要で金額の乖離があるので要注意、同じメーカーなら何とかするでしょうけど。

  3. よしこ より:

    国沢さんのご指摘と分析には自分が気付かなかった観点が多く、そういうことがあったかと勉強になります。
    また、投稿された「元日産ファン」さんの率直な感想にも同意します。
    車の第一印象として、なんと言ってもデザイン(内外装)、そしてボディカラーや各部の質感も重要です。
    デザインを見て惹かれるか、もしくはある程度の納得感が得られないと、高額な車であればあるほど私は購入に傾かないです。
    ただ、デザインとは不思議なもので、当初違和感を感じたとしても数年間街中で見続けるうちに「結構いいかも」と思うケースがあったりしますが、はたしてこのデザインはどうでしょうか?
    評価は人それぞれと思いますが、私は今のところ疑問符がつきます。

  4. 飯島プロパイロット より:

    残価設定の件ごもっともです。                       
    以前指摘させてもらっています。                              
                                 
    唯一方法があるとすれば
    飯島さんのAIプロパイロットを新車を買った方が追い金を払って後から装備できるようにしておくことくらいですかね。
    テスラや中華系の自動車は後から電子機器のファームウエアをアップするような事が出来るんだから、日本車もやってみればいいと思う。                             

    問題は国交省でしょうが、公明党が抜けたので少しはやり易いかと思います。                          

    50万円くらいでAIプロパイロットが後付けできれば、結構買う人いると思うのですが。

  5. KUMA より:

    時計だと、ヴィンテージ時計をリフレッシュして、新品か新品以上の売価をつけることはよくあります。

    残価維持できる案、ちょっと考えてみました。
    ①ディーラー再買取後、リフレッシュプラン実施
    ②フェイスリフトがあれば、最新のフェイスにできるよう選択できる。
    ③運転支援ソフトを最新のものアップデート
    (位置づけは中古車の改造と同じなので、再衝突試験等、国への手間のかかる申請は不要?)

    問題は、誰が責任をとるかですかね。これが一番、日産の問題、かつ、諸悪の根源だと思っています。「責任は私が取る!」こういう人が残留した経営陣の中にいればいいのですが。モリゾーさんはそうでしたね。

  6. 日産ユーザー より:

    今後、ノートだけで競争できるのか?
    記事を書いてもらいたいです。コンパクトカー大衆車が売れないと日本市場は持たないでしょ。

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