社長交代続出
今回の不況を機に社長交代する自動車メーカーが多い。共通してるのは「これといった失策はしていない」ということ。トヨタの場合、心機一転巻き直しを計るべく大政奉還という選択をした。昨日社長交代を発表したホンダも同じ。強いて福井社長の失策をあげるとするなら、2輪関係者にF1を任せたことくらいだろう。
それだって「勝てなかった」だけで、当時は潤沢な予算があったし、きっちり終わらせている。むしろ歴代社長の中では幅広い事業に乗り出すなど功績の方が大きい。ダーウィンの進化論からすれば「生存の危機に直面した時は変化できたものだけ生き残れる」ですから。ちなみに新社長の伊東考紳さんはホンダの社長では初めて車体設計の技術者。社内的には大きな方針変換だったりする。
伝統的にホンダはエンジン屋さんの勢力が強い。加えて福井さんの時代、2輪部門も大いに引き立てた。当然ながら車体やシャシ部門にとっちゃ不満多かったこと
だろう。何たって今や環境の時代。エンジンが無くなることはあっても、車体は無くならないですから。伊東さんならバランスよくまとめられるんじゃなかろう
か。エンジン以外の「わくわく感」を具現化させて欲しい。
それにしてもマツダを皮切りに、スズキ、トヨタ、ホンダと、すでに4つの自動車メーカー(カワサキも!)の社長が交代した。これらのメーカー、意欲的だし、人事もうまく機能してるように見えます。一方、客観的に見て「成功していないし、人事を見ても適切と思えぬ。今後良い方向に行くとも思えないので変えた方がいいのでは?」と感じるメーカーは今のところ音無の構え。
ゴーンさんみたいなタイプの人に共通するのが「身を引く空気を読めない」。たいてい最後に「石もて追われる」状況に追い込まれてしまう。フォードのナッサーもそうでした。しかも在任中に独裁制を引くため、居なくなった直後は大混乱を招く。実際、突然ゴーンさんが離れたら相当大変なことになるだろう。社員もそう感じているため、引きづりおろす動きにならない。
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ゴーン氏って、どこかの国の前首相に似たタイプだと思います。
非常に決断力があって、バッサリやる。そんな自分に酔ってしまう。
しかし、自分の思い切った決断が将来どのような弊害を及ぼすかあまり考えていない。
こういうタイプのひとは今日がすべてであって、明日は全く違う一日なのでしょう。
厄介なことに、そういったリーダーは誤った決断によって会社や社会が危機に直面したとしても全く自覚症状がない。
なぜかというと、その人にとって昨日はまったく別の日だからです(笑)そして今日も大英断を下し続ける。
そりゃ本人は日々充実してるでしょう、でも、あとで困り果ててしまうのはその下につく従業員もしくは国民なんですよね。
以上、あくまでも私個人の印象でした。