自動車業界に上海ショックが吹き荒れている

現在も開催中の上海モーターショーを見た業界関係者を中心に動揺が広がっている! こらもう自動車メディアから自動車企業の経営陣、技術者、部品メーカー全て。ショーを見て衝撃を受けなかった人がいたら、中国に精通しているか鈍感力あるかだと思う。今回私は行かなかったけれど(個人で行こうとしたもののヴィザなどの問題がコロナ前に戻っていない)、写真や記事で推測出来る。

脱線した。業界の皆さん感じたインパクトの内容は「もう追いつかないかもしれない」という一点である。上海ショー、調べれば調べるほど電気自動車関連の出展内容は多岐に渡ってます。新型車は100万円台の誰でも買えそうなでいながら高性能&高品質のモデルから、2000万円を超える高価格帯までびっしり! 車型だって売れ筋のSUVからコンパクトカー、スーパーカーまで!

はたまた電池も中国特産のリン酸リチウムに始まり,新型のナトリウム電池、全固体電池&試験運用始まっている半固体電池、性能2倍の3元系リチウム電池まで盛りだくさん。未だ全固体電池の夢ばかりしか見ておらず、しかも現時点で3元系リチウムにこだわる日本と全く違う。クルマの仕上がりレベルだって日本の優れた技術者が大量に流出しているため、日本に勝るとも劣らず。

何より決断が早い! やるとなったら突っ走る。失敗するメーカーだってあるけれど、それはもう淘汰される。すでに補助金を止めたため淘汰が始まっており、今やハイブリッド車と同等の価格で電気自動車が出てきた。電気自動車=高いという多くの日本人が持っているステレオタイプと全く違うフェイズに入っている。まぁ新型コロナ前から容易に予測出来たことですけれど。

中国勢にとって唯一かつ最大の課題が中国政府の存在。すでにアメリカは中国と経済的鎖国の準備を始めている。欧州はそこまで明るさまじゃないものの、中国製のクルマをそのまんま受け入れるとは考えにくい。つまり中国から出られない可能性が高い。それでもBYDなどはタイなど新興国へ進出し始めた。日本勢にとって重要な市場を取られるということです。悠長に構えたらアカンです。 

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5 Responses to “自動車業界に上海ショックが吹き荒れている”

  1. z151 サンバー愛好者 より:

    東京モーターショー(次の開催は東京モビリティショーですが)への輸入車出展が減り、北京や上海、急成長している東南アジア諸国のモーターショーに水をあけられる現実ってやはり市場の反応やショック度の大きさなのかもと妄想させられました。
    業界人ではないので生の危機感ではないですが、2035年辺りに締め切りが来ると思っていた仕事が、来年早々に結果を求められるレンジに入ってきていたような感じでしょうか?
    どうしても部品が入って来なくて「出荷日未定」だった製品の部品が急に入ってきて、「部品入ったんだから1週間後に出荷!」みたいなことが会社でもあって大混乱しています。
    予め決められていた「1週間後の出荷予定」製品はずらさないままというのだから非常に厳ちい!
    レベルが違う話ですが、似たような「ショック!」があったのかも。

    おまけにEV部門は「当面(或いは潰れるまで)儲からないことが確定」恐らく中華企業はこのモラトリアム期間を抜け出しつつある段階にあるのかも。
    26年くらいにフルハイブリッド車を投入予定なんて考えてるスバルとか3周くらい周回遅れにされていることになります。
    少なくともその頃には軽自動車のBEVが普及しはじめているでしょうし、PHEVの車種も多岐に渡っていると思われるし。

    スバル好きな私でさえインプレッサやXVにワクワクしないというのが困ったところ。
    多分「イイクルマ」だろうことは想像できます。
    でも「普通っぽい」こともわかってしまう。
    スバルってマニアが支持するメーカーなので「普通っぽいクルマ」を発表しても、マニアもあまりクルマに関心がない人も注目しにくいのかもしれません。

  2. オニオンパン好き より:

    https://www.benzinga.com/government/23/04/31934909/lithium-stocks-are-falling-today-whats-going-on

    粗訳で失礼します。
    『チリ政府は、リチウム産業の国有化を表明。
    国家が管理する官民共同事業として、将来のリチウムの契約が発行されることを提案。
    チリ政府は、その資格があるリチウム製造会社としてBYDを指名した。
    BYDはチリ北部に2.9億ドルのリチウム電極工場の建設計画を提案している。
    工場では、年間5万トンのリン酸鉄リチウム(LFP)製造用にリチウム電極を使用することを予定している。
    2025年稼働予定で、500人の雇用創出。』

    本当に決断が早い。
    10年後、日本の自動車メーカーや電池会社のパナソニックは残っているのだろうか?

  3. トヨタユーザー より:

    >中国勢にとって唯一かつ最大の課題が中国政府の存在
    電気自動車を造ろうと思ったら、中国の電池メーカーやサプライヤーと付き合うのが近道です。実際中国内ではそうやって地場メーカーも恥ずかしくない品質のEVを作っているのですから。
    しかし、そうはできないのが日本を含む西側諸国で、やっぱり中国政府がどう出るかと、中国から調達した部品はアメリカ向けに使えるのかが悩みのタネです。
    いっそ、中国車が出てこない欧州欧米では、PHEVが一番いい選択なのかも。となると、日本全体がトヨタ様に頼ることになってしまいます。スバル・マツダはどうするのでしょう。いまや自前でそれなりの規模を作れるHEVを持っていないほうが少数派になってしまいました。

  4. のん より:

    日本政府がはっきりと政治経済ともに中国との縁切りができれぱ立派なんだけどね。

  5. 大澤 より:

    弟が自動車メーカーで働いているのですが、みんな現実を見ないようにしている感じで、アカンと言ってました。

    日本メーカーの問題は、技術開発力のなさではなく、経営判断の遅さ、臆病さ、計画性のなさと、社員をやる気にさせるモチベーションのなさだと思います。

    ここから立て直すには、経営陣の大幅な若返りと、社員の給与待遇を一律から能力次第に切り替えることが必要だと思います。

    年長者を立て、人に差をつけることを望まない日本のカルチャーを考えるとなかなか難しいですが、背に腹は代えられないので、やるしかないです。

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