電気自動車の時代になる前にハイブリッドが重要になってくる。各社、どうなっている?
ここにきて将来のパワーユニットの流れがなんとなく見えてきた。説明するまでもなく30年後の主役って電気自動車です。ただそこまでの5~20年は必ずハイブリッド&PHVが必要になってくる。突然電気自動車の時代になるワケじゃありません。特に日本の自動車メーカーが最大の収益源としているアメリカ市場はハイブリッド&PHV無しに戦えないと思う。日本勢でしっかりラインナップを揃えているの、トヨタだ。盤石と言って良い。
2.4リッターターボを使う350馬力級HV
アメリカで必要なパワーユニットは、純エンジンで言うところの2リッター150馬力級と、2.7リッター220馬力級、3.5リッター260馬力級、5リッター350馬力級の4タイプになる。トヨタで言えば、1.8リッターHV(Cセグ)、2リッターHV(Dセグ)、2.5リッターHV(SUVなど)、2.4リッターターボHVと万全。カローラからV8を搭載しているモデルまでカバー可能。1.5リッターHVを含め現在トヨタが世界規模で販売している全モデルをカバー可。
2.5リッターHV。システム出力222馬力
日産どうか? 今のところエクストレイルが採用している1.5リッターターボのVCターボは204馬力。Dセグまでなんとかカバー出来るものの、3.5リッターV6の代替にはならない。漏れ伝わるウワサによればシステム出力260馬力級のeパワーを開発しているというけれど、未確認。存在するなら現在の日産のラインナップをカバーすることが出来そう。V8エンジン搭載モデルのパワーユニットをどうするかという課題は残す。
2リッターHVはシステム出力199馬力
ホンダの場合、現在のラインナップだと109馬力の1.5リッター級HVと、CR-V程度までのカバー出来る215馬力の2リッターHVしか存在しない。アメリカでの売れ筋になっている3.5リッター級のHV無し。このクラスを開発しないとアコードとCR-Vが上限になってしまう。ちなみにハイブリッドのパワーユニットとしてV6を使うことはスペース的に不可能。260馬力級になる2リッターターボのHVを開発しているのか気になるところ。
システム出力140馬力の1.8リッターHV
マツダは現在ストロングハイブリッドを持っていない。いや、中国向けのCX-50に『A25』というRAV4にも使われているトヨタのハイブリッドが搭載されている。そしてDセグ用としてCX-60に搭載されている2.5リッターPHEVがあるので、こいつを大改良して使うことは出来ると思う。だとすればトヨタから150馬力級のハイブリッドを供給してもらうことで現在の車種ラインアップはコンプリート出来てしまう。大きな問題なさそう。
スバルどうか? 現時点でもパワーユニットは1.8リッター加給が主力。このエンジンをカバーするハイブリッドを開発しているというウワサなので、対応出来ると思う。スバルに限らずHVさえあれば電池を積み増すことでPHVは作れます。とにかくHVを持っていないと勝負にならない。先日トヨタが今後10年の方向性を打ち出した。他のメーカーも関連企業を元気にさせるべく生き残れるエビデンス(証拠)を見せた方がいいと思う。
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イギリスは現実的にガソリン車廃止を2035年にしました。こんな感じで、調整が続くかと思いますが、EUの偉い人はとにかくBEVでいっぱいにしたいようです。
いずれガソリン車・HEVよりBEVのほうが安くなると言っています。ま、そうなのかもしれませんが、エビデンスを示さず自動車メーカーの人でのないのに、個人的な意見でそういわれても、ほんとかいなと思ってしまいます。電池の価格もブレイクスルーして安くなるでしょう、となんだか人任せ…。
https://news.yahoo.co.jp/articles/2a56c5dd325c09d7ae2d60640380d147688d69a2
欧州のBEV推進は欧州の自動車産業力を衰退させたくないと本音も隠さない様子。でも、安いBEV作るならバッテリーが重要なのに今のプレーヤーには欧州メーカーは入っていません。そこを中・韓に握られても、ヨーロッパのメーカー大丈夫と言っているあたり、何かズレているような。
日産は、アルティマ、インフィニティQX50およびQX55、中国向けのインフィニティQX60にKR20DDTという可変圧縮比エンジン(通称VCターボ)を搭載しているので、おそらくePowerのD、Eセグメント向けはこのKR20DDTになるんじゃないでしょうか?
これが、年内にコンセプトカーとして発表される次期エルグランドに搭載されるんじゃないですかね?
ディーラーでは年内にエルグランドを市販車じゃなく、コンセプトカーから発表する情報が出回っています。
V8ガソリンエンジンは、VK56DDVが現在、タイタン、アルマーダ/パトロール、インフィニティQX80に搭載されていますが、この代替えにVR30DDTをベースに排気量をアップしたV6エンジンがダウンサイジングエンジンとして載る噂もありますね。
8月にぺブルビーチで発表されたインフィニティQXモノローグなるコンセプトカーが、次期QX80とみられますが、この市販車に早ければ搭載されるんじゃないでしょうか?
EUは、EV覇権を我が物にしようと青写真を書いたまでは良かった。しかしプーチンの暴走と中国のEV加速、そして地球の灼熱化は、想定外だった。エネルギーコストは高騰し、頼りの全固体電池は、未だ量産の目処が立たない。中華バッテリーに飲み込まれそうな閉塞感の中で、一呼吸入れたイギリスは流石だと思った。
トヨタは情勢がどうなろうとなんとかなるだろう。日産は、どうだろう。e-powerとか言ってるが、ただのシリーズハイブリッドだし。PHEV化できなきゃ、EVで先行した意味がない。ただでさえ、先行メーカーなのにラインナップが寂しいんだから。