電気自動車は重くても回生制動でエネルギー回収可能。純エンジン車と違って不利にならない

2026年をめどに開発をしているホンダ0のコンセプトについて、電気自動車も「軽い方がいい」と主張している。重ければ軽いクルマより動き出すときのエネルギーを必要とすると言う。おそらく高価な電池搭載量を減らす方便かと。真剣に「軽い方がいい」と考えてるなら、いろんな意味で電気自動車を理解していない。電気自動車、100kg重くなっても、70kgは跳ね返す。

なぜかといえば回生制動があるからだ。エンジン車だとブレーキ掛けたら走行エネルギーは100%熱になってしまう。一方、電気自動車は走行エネルギーを回生出来る。床に落ちると跳ね返ってくるマジックボールみたいなもの。大雑把に言って、効率の良い電気自動車なら70%くらいを回収可能。つまり60kmで走っていて回生制動して停止すると、そのエネルギーで42kmまで加速出来る。

電気自動車で電池搭載量減らす想定をしてみよう。500km走れる電池が500kg。300km走れる電池で300kg。その差、200kg。まぁ重いです。普段300kmくらいまでしか走らないのなら、200kgはデッドウエイト。ホンダ0は「無駄」と考えているようだ。けれど回生制動を考えたら、140kg分を回生可能。重量増は60kg分ということになります。60kgで200km走れるとなればどうよ。

航続距離300kmと500kmじゃ決定的に使い勝手が違う。はたまた15年/20万km乗った時の電池寿命だって500km分積んだ方が圧倒的に有利。ちなみに充放電性能という点で高温に強いリン酸鉄リチウム電池は強い。ATTO3に乗ると90kWくらいまで回生している。120馬力で加速した時の加速感と同じくらいの減速感を全て回収してしまう。日本勢だと頑張って40kW分程度。

急速充電の容量だと考えてもいい。ATTO3は90kW急速充電が可能で、日本勢は電池寿命など考え40kWに制限しているのだった。kWだと100km/hくらいから普通にブレーキ踏んだら、半分くらいしか回生出来ないと思う。回生制動の電気自動車の技術的なテーマは「軽量化」じゃなく「電費の向上」だ。同じ電量量で走れる距離を増やしたい。回生制動の効率アップは大きく寄与します。

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One Response to “電気自動車は重くても回生制動でエネルギー回収可能。純エンジン車と違って不利にならない”

  1. haladd より:

    電費向上にはやはり空力のほうが大事な気がします
    例えばテスラのモデルYとモデルSを比較すると
    モデルSのほうが150kg以上重いもののモデルSのほうが電費は良好です(EPA基準、AWD同士で比較)
    セダンとSUVで前面投影面積の差が出てると思います。

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