EVは簡単じゃね〜ぞ

昨晩NHKの『クローズアップ現代』という番組を見ていたら、おそらく自動車に関係している業種の方だと思うけれど「EVは簡単に作れる」と言って
いた。まぁ確かにテスラモータースなど見ると、コンピューター関係のベンチャー企業が世界トップクラスの性能持つEVを作ってます。

クローズアップ現代に限らず、EVが簡単に作れると考えている人は少なくない。いろんな場面で「EVは自動車メーカー以外でも作れるんでしょ?」と言った質
問を受ける。確かに市販車改造のEVやテスラのような高額のEVであれば可能性大。いや、テスラもロータスの技術無しじゃ作れなかったので、広義の改造EVですね。

されど量販車のEVとなれば相当ハードル高い。なんせ今や自動車の基本コンポーネンツは車体なのだ。EVだって衝突安全性が要求されるし、インテリアだって必要。足回りの技術や乗り心地も重要。確かにエンジンや変速機など無くなるものの、駆動系は残る。もっと正確に言えば、モーターやインバーターだって既存の製品じゃダメ。

クローズアップ現代でもキャブ
ターやインジェクションを作って来たケイヒンがインバーターを開発しているシーンを紹介していた。インバーターと言えば、これまで電気メーカーが作るものだと考えていたんじゃなかろうか。安価で信頼性の高い部品を大量に作るという技術、やはり自動車産業の得意分野です。

また、販売やアフターサービスという点でも自動車産業は充実している。大半の部品がオーダーした翌日に揃うし、ディーラーのレベルだって高い。「トラブルあって電話したら全く繋がらない」なんてこと、絶対無いですから。この業界に新規参入するのは相当難しいと思います。

<おすすめ記事>

2 Responses to “EVは簡単じゃね〜ぞ”

  1. ぱんだねこ より:

    こんばんは。
    私もクローズアップ現代をみました。「EVは簡単」と聞いて、外れた顎が元に戻りません!EVのモーターは扇風機や換気扇のモータと違って、ただ一定回転数でブンブン回ればよいわけではありません。スムーズな発進も継ぎ目ない加速もそう制御しているからです。そのために、モーターとインバータはすり合わせが必要です。すり合わせる人が、造る人が変わっただけで、そんなに簡単に買って組み合わせればよいものではありません。むしろ、制御によってはエンジン用の倍以上の能力を持つマイコンが必要です。
    中国でEVが流行っているのは、ナンバーも免許もいらないミニカークラスです。しかし、危なくて日本では乗れませんし、安全上の規制が厳しくなればアウトです。
    モーターショーで見ましたよ。日立がダイムラーにもBMWにもインバータを出しています。(正確には天秤に掛けられている?)GMボルトも日立作です。
    中国のBYDも電池から研究しているから、世界クラスの電気自動車が作れるのだと思います。
    こんな、オダンゴな専門家が話をするから、日本のEV技術が自ら自信と自覚をなくしてしまうのです!
    中米欧日としても世界で4番目です。がんばって欲しいです。

  2. ijiok より:

    国沢さんとぱんだねこさんのコメントを拝見して、簡単にEV=構造が簡単と思ってしまった自分が恥ずかしい限りです。
    さて、クローズアップ現代で解説されていた方は、NHKのHPで見てみたら、日本総研の宮内 洋宜さんという低炭素技術の研究者みたいですね。
    日本総研のHPにも、「(EVのコアとなるモーターはエンジンと比べて)作り手による性能差が少なく、もともとの効率も高いことから性能向上の余地も残されていない。」「(モーターや蓄電池が外注になることで)電気自動車は誰でも作ることができるようになり、結果として価格競争に陥る可能性さえ存在する。」と主張されていました。よく解らないですが、つまり、EV車では中国車が主導権を握るってことを言いたいのでしょうか?
    もっとも、国際優位性を保つ為にハイブリッド車に注力&電機メーカーとのタッグで電池技術向上で世界をリードすべきとは言われています。

このページの先頭へ