BYD日本販売開始! 苦戦すると思うけれど、その後が日本勢にとって厳しい戦いになりそう

31日夕方以降のTVニュースで漏れなくBYDの日本販売開始を伝えていた。大手メディア的には日本が電気自動車で出遅れていると考えており、BYDを黒船と位置づけているようだ。興味深いことに押し並べて「同じクラスの日本車より100万円安い」と紹介している。実際どうかと言えば、200万円とは言わないけれど150万円以上安いと思う。なんせ装備テンコ盛りですから。

サンルーフや電動テールゲート、アラウンドビュー、ADASだって現時点で実用化されている機能が「全部付き!」。装備内容的には660万円のARIYAリミテッドに限りなく近い。航続距離や電池の寿命まで考えたら、ハード面は勝ったり負けたり。いや、ARIYAは受注再開時に大幅値上げもありうるため、やはり200万円くらいの価格差になるかもしれません。

ただATTO3が売れるとかと聞かれたら「厳しいでしょうね」と答える。440万円という金額、絶対的に高い。ダメモトで出せる人は少ないだろう。いや、ダメモトで出せるようなお大尽はBYD以外のクルマを選ぶ。アイオニック5の販売台数を見ても解る通り、日本は「良ければ売れる」というマーケットじゃない。なんたって中国、今や我が国にとって最大の仮想敵国だ。

ではBYDなんか怖くないかとなれば、明確に「いいえ!」。次のドルフィンの価格次第で状況一転の可能性だってある。仮にフル装備で280万円という価格を付けてきたとしよう。100Vの給電機能付きなら85万円の補助金出るため195万円。東京都だと太陽光発電と一緒に導入すると75万円の補助金出る(平成5年度は未定)。もはや120万円です。ダメモトで買える金額だ。

リン酸鉄リチウム電池なら寿命100万km超。使い切れない。家庭でマイクロスマードグリッドの蓄電池として使うことだって余裕。ドルフィンで実績を積み、信頼性も確立出来たらATTO3だって売れるようなるだろう。そうこうしているウチ、GM五菱の宏光MINIもやってくるに違いない。2022年に於けるGMの電気自動車販売台数は70万台。大半が宏光MINIです。

150万円くらいで出てくると補助金使えば100万円だ。完全にダメモトで買える金額。日本勢が2024年春からリリースする電気軽商用車とガチ勝負になりそう。このあたりから電気自動車の普及がググッと進むんじゃなかろうか。

 

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3 Responses to “BYD日本販売開始! 苦戦すると思うけれど、その後が日本勢にとって厳しい戦いになりそう”

  1. CX-60 より:

    やっと来た(?)BYD。
    地方では、中小の輸入車販売店が扱うらしいので、ちょっとサービスの面で心配ですが、通販だけのIONIQ5やFCVよりはいいんじゃないかと。
    電池の寿命が長いのが最大の売り。
    でも、注目しているのはEVフェスティバルで開かれていたような筑波サーキットでの走りなんです。
    どのEVでも1周超えたあたりからセーブモードが発動してしまうところを、BYDはどう走るのか!
    SUVが売れ筋だからATTO3からですが、4ドアセダンのSEALに早く来てほしい!トヨタのbz3でもいいですけど。

  2. Rotarycoupe より:

    レノボがIBMのPC部門を手に入れて世界ブランドになり、その後はNECも富士通もグループに組み入れられた事例があります。

    まずBYDブランドで様子を見て、それからマツダやスズキに触手を伸ばしてきたら…難しいですね。

  3. 猫まんま より:

    さておBYDの手並み拝見ですね。まあ日本ではまず売れないでしょうけど。日本で売ろうと思うなら一番大事なのは信頼性、スマホや家電と違って車は命をかかってますから。2輪車ですが親日国で価格も安く信頼性もそれなりにあるキムコでも売れていないですから反日国で信頼性も無い中国車は誰も買わないでしょう。レンタカーとかならネタで乗ってみる人は多いでしょうけど。YouTuberが取り上げて買いもしないのに絶賛するのが目に見えるようです。EVに邁進してるEUではバカ売れするんではないでしょうか?

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