N-ONEをフルモデルチェンジだと思うのは自由です。念為

「贔屓の引き倒し」という諺がある。一般的には「好きなものを褒めすぎ、かえってその人を不利にすること」とされます。N-ONEがフルモデルチェンジか否か? フルモデルチェンジの目的を考えてみたらいい。こらもう説明するまでも無く「販売増加のため」でしょう。クルマという耐久消費財には、いろんな意味で「寿命」があり、一般的には4~8年で通用しなくなっちゃう。

N-WGNと骨格を共有するためショルダーが高すぎ

N-ONEの場合、昨年の月間平均販売台数は1400台と(今年に入って平均140台に激減)、もはや寿命を迎えていたと言ってよい。絶版にすることも考えたと思う。はたまた、過去のホンダでいえば背高のモデルを背低のモデルにするなど、全く違う方向性のクルマも考えたことだろう。結果「なるべくお金掛けずに行こうや!」になったことは想像に難くない。

実際、プラットフォームやエンジンはN-BOXをそのまま使えばいい。正確に書くと現行N-WGNのプラットフォームだって先代モデルの改良版。インパネもN-WGN。電子装備そのまんま使い回せる。新たな投資は“ほぼ”必要無いです。最もお金掛かるのが外板だ。生産台数少ないと大幅なコスト高になってしまう。リーフのようにドアだけ使い回すようなことも珍しくない。

外板は今までと共通

だからこそマイナーチェンジでは外板を変更せず、ヘッドライトやバンパーでイメージチェンジしようと頑張るのだった(大マイナーチェンジと呼ばれる規模だとフロントフェンダーなどに手を加える)。今回のN-ONE、外板を変えなかったため、一般的なモデルチェンジより圧倒的に生産コストを引き下げられたと思う。とにかく鉄板プレス部品は大量生産しない限り目玉が飛び出るほど高い!

ここからが本番。従来型N-ONEが売れなかった理由はどこにあるのか? エンジンか? 自動ブレーキか? はたまた6速MT車がなかったことか? この3つならリニュアルされたためN-ONEは売れるようになる。メディアが「新型登場!」と大宣伝してくれたらさらに有利。でも私はN-ONEが成功していない理由は上記3つ以外にあると思っている。中途半端です。

こんな雰囲気にしたら面白い?

背高でスペースあるワケでもなし。オリジナルになっているN360のような背が低くてスポーティな雰囲気も無し(ホンダeのようなデザインにしたら面白かった?)。はたまたアルトやミライースのようにお買い得プライスを付けてくれば勝機あると思う。漏れ伝わるところによれば、価格は装備分の値上げ。ターボ6速車についちゃ200万円を超えるという(信じられないですが)。

爆発的なヒット車になったN360

フルモデルチェンジの目的は「売れなかったらデザインまで変えて違う方向を試す」にあると思う。それをやらないのならマイナーチェンジです。もちろんマイナーチェンジを新型と言うのは自由。それを買うわけでもないのに「素晴らしい!」とか「新しい考え方だ!」というのも自由。ただクルマを売るという目的からすれば賢い選択じゃ無いと私は考えます。

繰り返す。N-ONEがフルモデルチェンジした、と思うのは自由ですよ。マイナーチェンジというのは私個人の感想です。メディアがどう扱うかはリトマス試験紙のようなモンかと。

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