松下宏の食べ歩き/東京浅草の『やっこ』でウナギ

知り合いの夫婦がやってきて、何かうまいものが食べたいというので浅草の「やっこ」へ。2週間ほど前に予定を聞いて、中華やらすき焼きやらを予約しようと思ったのですが、日曜の午後のためか間が悪くどこも予約が入りません。「やっこ」は電話をしたら予約を取っていないということなので、ダメ元で出向きました。昼下がりの時間なら行列ということもないと判断しました。

浅草に向かおうとすると、スカイツリー周辺が大渋滞になっていたほか、浅草では雷門地下駐車場が満車の表示でした。浅草の裏道にはいくつものコインパがあるのを知っているので、見当を付けて路地に入って行ったら何とか空きスペースを見つけることができました。料金設定は高いですが、「やっこ」に近い駐車場に停めることができました。

「やっこ」は浅草に店を構えて200年という長い歴史を持つうなぎ店で、勝海舟とジョン万次郎が連れ立ってうなぎを食べたと伝えられています。夏目漱石や岡本綺堂の小説にも実名で登場する店です。店に着くと案の定行列はなく、『片づけるのをお待ちください』とのこと。待つか待たないかで案内されました。

うなぎ店ですが、うなぎ以外の季節料理を用意しているのが「やっこ」の特徴で、それを食べるのが楽しみでもあります。この日に用意されていた月替わりのお勧め料理は8種類あり、そのうちから蒸し鮑白扇揚げ(2200円)と鴨葱焼き(1400円)を選んでシェアして食べました。鮑は蒸した上で揚げてあるので柔らかくて食べやすくなっていました。筍としし唐も添えられていて、おいしく食べられました。鴨葱焼きは香ばしい醤油味です。知り合いは鴨を食べるのは久し振りとのことでした。

うな重は知り合い夫婦が遠慮してか、うなぎ2尾の桐(6850円)ではなく1尾の桜(4400円)で良いというので、私もそれに合わせました。1尾とはいえ4段階あるメニューのうち上から2番目ですから、まずまず大きめで肉厚のうなぎが使われていて、満足感が得られました。タレがあっさりしたやや薄めの味であるのも私がこの店を好む理由です。メニューに肝焼きがなく、そのために大きめの肝が入った肝吸いもいつもながら上々でした。<松下宏>

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3 Responses to “松下宏の食べ歩き/東京浅草の『やっこ』でウナギ”

  1. kauai_ahi より:

    アメリカ在住40年ですが、帰国の際は必ず立ち寄るレストランです。
    ここの蒲焼は夢に出てくる唯一のたべもの!
    お店の方は着物姿でサービス、会計のお姉さんは粋な方で、お店の雰囲気は下町浅草、 最高です。
    国沢さんの発信される数々の情報、海外在住者の私にとっては貴重な情報です、ありがとうございます。

  2. Hiro3 より:

    うなぎ良いですね。もし機会があれば福岡県柳川市のうなぎのせいろ蒸しを試してみて下さい。ここ数年で値上がりしてしまいましたが今は特上で4500円程度で吸い物と漬物、店によってはミニサラダも付きます。
    本吉屋の沖端店が一番のオススメです。城跡のお堀のすぐ横なので川下りの舟も見れるので。

  3. Hiro3 より:

    本吉屋のウエブサイトを見たら、なんと特せいろ定食で6.100円になってました。数年前までは3,800円…

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