松下宏の食べ歩き/浅草・老舗で磨いた腕と伝統の味が特徴の江戸前天ぷら「秋光」
吉原大門にある「土手の伊勢屋」の流れをくむ天ぷら店が浅草の「秋光」です。谷原秋光氏が18歳でアルバイトとして「土手の伊勢屋」に入り、修行を重ねて五代目を任されて10年間にわたって老舗の暖簾を守った後、御家騒動と言われるような経緯を経て独立し、天ぷら屋さんの激戦地浅草に開店したのが「秋光」です。
ほかに「天麩羅バル秋光」があるほか、八戸と金沢に加えて、フィリピン、韓国、シンガポール、オーストラリアなど各地に多数の店舗を展開するようになっています。老舗で磨いた腕をベースにしたメニューはけっこうな迫力のあるものです。この日はタブレットを使って看板メニューの五代目天丼(3100円)を注文しました。
さらに上に五代目天丼(極)というメニューもあるのですが、とても一人で食べきれる量ではないので手が出ません。五代目天丼に乗せられる天ぷらは季節や日によって変わり、この日は穴子、海老、牡蠣、鰆、ワカサギ、さつまいも、スナップエンドウでした。私はお勧めとされている半熟卵(200円)を追加し、なめこ汁(230円)を付けてもらいました。
五代目天丼は見た通りの大迫力で、穴子が真横に乗せられ、縦に海老やワカサギなどが乗せられています。老舗での修行をベースにしたタレの味はいかにも江戸前らしい濃いめの味です。さくさくした食感の衣にタレの味が滲みていてなかなか良い具合です。私の好みから言えば同じ浅草の「天藤」の天丼のほうが好きですが、「秋光」の天丼もたまには食べたいなと思わせるものがあります。
今回が2回目の訪問でした。
<おすすめ記事>