足下怪しい

調子に乗って中国のことばかり書いてきたが、冷静になって考えてみたらうなぎ屋はソレどころじゃないほど厳しい状況になってます。7月こそソコソコだったものの、8月に入るや急降下。例年、9月は落ちるのだけれど、ハンパ無い売り上げ減となった。この状況、ウチだけかと思ったらそうじゃない。皆さん厳しいそうな。

冷静になって考えてみたら、いくらアタマに来ても尖閣海域に乱入出来るワケじゃなし。ナニを言っても どじょう は聞いてくれない。過激な行動を起こす気も無し。基本的にムナしい。とりあえず現実を直視しなくちゃいけません。尖閣問題よりうなぎ屋の明日の方が私にとってずっと重要な課題なのだった。

入ってくるうなぎは文句なし! 身が柔らかく、脂の乗りも良い新仔になったので(今年の新仔は最高1kg250万円の値を付けたエリートのシラス出身でございます)味も抜群。御飯はオカヅ不要なほど美味しい新米ときた。味は相当自信あります。でも全くお客さんが来ない。今日なんか土曜日なのに閑古鳥泣きっぱなし。

9月の赤字は確定である。毎日うなぎ屋の若旦那やっても1円の収入すら無いばかりか、持ち出しなんだからシビれまんがな。正直、なんでこんなモノを背負っちゃったんだろう、と思う。考えてみれば商才の無い私が商売やって成功するワケないか。才能無い人はどんなに練習しても100mを12秒台じゃ走れない。それと同じ。

実際、10月以降、店を閉めるにあたっての精神的な抵抗がなくなった。以前も書いた通り、1年半前の時点で生活保護を申請しようとしたが、叔母はけっこうな額の借金をしてました。生活保護を受けるとなれば、それを全て踏み倒さなくちゃならない。ジイサンの代から付き合ってきた相手に迷惑掛けます。

その借金、貯金を切り崩し、全て私が払ったので無くなりました(当然の如く持ち出しのままですが‥‥)。叔母は周囲の環境が解らなくなりつつある。生活保護を受ける代わり中野区に対しても中野駅前の一等地にある店の権利を渡せば、叔母の残りの人生の面倒をみてくれる以上の代価になると思う。

もちろんお店が儲かるなら営業を続けて、私が立て替えた借金を少しづつ取り戻せばいい。しかし! 昨年についちゃ地震の余波で売り上げ落ち、1年を通したら赤字。今年は何とか立て直せそうな雰囲気だったものの、うなぎ高騰。9月で赤字となれば厳しい。借金を立て替え上、さらに持ち出しとなれば、もう無理だ。

ということで、私の持ち出したお金を諦めれば、いつでもお店を閉められる状況にはなっている。ジイサンの時と変わらない「昔ながらのレシピで作ったうなぎ」を出せているということのみココロの拠り所です。私がお金持ちのお大尽サマなら趣味でうなぎ屋を続けるんだけどなぁ〜。こうやって「伝統」は消えていくのか?

明日も雨だ〜。店はきっとヒマかと。

 

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10 Responses to “足下怪しい”

  1. ビッケ より:

    お忙しいと思いますが、うなぎやさんが一番空いてそうな時間帯でクルマ話ができる日を予め予告して開催するというのはどうでしょうか?
    もちろん予約制で。ドリンクとうなぎは必ず注文とすればクルマを買いたい人など相談いいけ雑誌では聞けない
    こともオフレコとして聞ける可能性があると私は行きたいですけど。
    クルマは、高い買い物ですからみなさん買う前は調べます。
    ※国沢さんが居らっしゃらなくて残念な思いをしたことがあります。確認せず行った私が悪いのですが・・・。確認する方法も無かったですけど。
    しかし、国沢様の叔母さまとお話できて楽しかったです。

  2. 大好物 より:

    うなぎ、大好物です。
    油ののったうなぎをしっかりと蒸してこんがりと焼いたのの旨い事と言ったら!
    しかし、先日ついに日本うなぎが絶滅危惧種に指定されたとか。こちらで即ネタになるかと思ったら中国騒動でネタになりませんでしたね・・・
    さすがに、絶滅するまで食べ尽くすのはどうなの?って思いました。将来また旨いうなぎを食べられる日を願って、今はうなぎ絶ち、ってのも考えます。
    残念ですが、日本にはうなぎの店が多すぎるのかもしれません。それとも店頭のパック売りやめればいいのかな?(パック売りのうなぎは不味すぎます、貴重な資源をあんな加工と調理のしかたで売るのは実にもったいない)
    絶滅しない適切な消費量ってどれぐらいなんですかね?日本の少子高齢化が進んで江戸時代に戻れば毎年旨いうなぎが食べれるのかな?

  3. ぴなれろ より:

    ウナギって美味しいですよねぇ。
    高いので中々食べられませんが、ホンモノを知ってしまうと、某牛丼チェーンのうな丼なんて安くても食べたくないです。
    我が家では、子供が頑張った時にご褒美でウナギ屋さんに連れていってから、焼肉よりウナギ目当てに頑張ってます(^_^;)
    無責任かもしれませんが、ホンモノを守って頑張って下さい。
    東京に行く機会があったら、必ず寄ります。

  4. Ito より:

    私も国沢さんのお店に4回ほどお邪魔してます。
    なかなか国沢さんにはお会いできませんが・・
    私はおいしいうなぎを食べたことがなく、うなぎといえば高いし泥くさいしでわざわざ食べようとは思わなかった人間なのですが、国沢さんのお店に行ってみたら世界変わりました。
    それ以来、旅先で積極的にうなぎの味調べをするほどに。笑
    最近、お店に伺っていないので、近いうちにお邪魔させて頂きます。
    食べに行くことでしか応援できませんが。

  5. しゅうけんめい より:

    中野区に対しても中野駅前の一等地にある店の権利を渡せば、叔母の残りの人生の面倒をみてくれる以上の代価になると思う。
    良いじゃないですか。もう、しょうがないですよ。
    私も、いつかウナギを食べに行きたいと思っていましたが、なかなか、東京までは行けません。
    残された力で、ウナギ文化を守るより、このホームページ他でクルマ好きをうならせてください。
    ウナギを望んでいる人<クルマ好きの人
    です。
    どうか、金銭ばかりか神経までも消耗しないように願っています。

  6. applefanjp  より:

    今年の冬、お邪魔したとき、
    ちょっとドジ踏んじゃって、閉店後にまたお邪魔しましたよね。
    そのとき、師匠は閉店後の作業を終えて
    小さなちゃぶ台に向かって原稿に向かっておられました。
    腰が痛くなりますよねって思いながら外から見ていて
    お声をおかけしました。
    みぞれの降る寒い夜でしたが、
    あったかーい人情に感激しました。
    書斎のデスクにむかっていらっしゃる師匠の姿も
    あるのでしょうが、あの美登里の師匠も大好きです。
    お店の経営、大変かと思いますが、
    ご家族もいらっしゃいます。
    どうか、無理されることなく、
    思う存分暴れることができる環境で私たちにこれからも
    ご教示ください。

  7. 池箱 より:

    「いいもの出してもお客来ず」ならば国沢さん仰るところのガラパゴスそのものではないですか?
    人間引き際も大事、とはいえども、アイデア豊富な国沢さんならばもうひと踏ん張り行けそうな気がしますがどうでしょう。
    ウチも家族経営の零細自営業ですが、首の皮一枚とはいえどうにかこうにかやっています。
    ブログは毎日楽しみに拝読しております。今後もよい報告があることを期待しておりますよ!

  8. アミーゴ5号 より:

    何度かお邪魔して、ウナギを頂きました。
    目の前のライフでも、ウナギを売っているんですよね?安売りの冷えっ冷えのパック詰のウナギ。結構な数が売れているなら、ウナギ好きはきっとたくさんいると思うんです。
    国沢さんのお店は、「昔ながらのウナギ屋さん!お店で活ウナギを捌き、炭でじっくり焼いた滋養強壮たっぷりのウナギ!」です。ライフよりも高いけど、それ以上に旨い!
    数回しか伺っていませんが、意外と団塊世代が少ないような気がしました。お金持ちで健康志向で新聞を購読している世代ですから、新聞チラシとかで試す価値はあると思います。例えばですが・・・。
    国沢さんのお店のウナギは、クルマで言えばホンダS800だと思うんです。小粒だけど本物を追い求める日本の庶民のための嗜好商品なんですよね。
    文化遺産級だと感じているので、お店をたたむ前にもうひと活動、できないものでしょうか・・・。

  9. Min より:

    うなぎやさんの不況はもはや味の問題ではないですよ。
    一定ライン以上の価格の物は普通の人は買えなくなります。
    残念ながら今までの商売形態では乗り切るのは困難な状況と思います。
    打開策は、普通の人でも買える価格の物を売るか、高価でも買える人に売るか…となりますよね。
    安価に売るには…
    ●味は劣るが安価な中国うなぎを工夫して売る。
    ●穴子等の代替品、またはうなぎに拘らない何かを売る。
    高価に売るには….
    ●配達とか無理かな。お金はあるが家から動けないお年寄りターゲット。
    …何れも誰でも考えつく事ですね…なんの力にもなれないなぁ〜。
    まだ、お店にも行ってないし。
    とにかく、金銭的にも肉体的にも傷口が広がる様では元も子もありません。
    伝統は国沢さんの腕にちゃんと引き継がれてます。
    あまり無理はなさらないでくださいね。
    今更だけど、近い内に食べに行きたいなぁ….

  10. ともお より:

    私もリーフを購入してから、2度家内とお邪魔しています。
    中野の派手な喧騒からちょいと奥に引っ込んだところに位置する江戸下町?風情のお店がお気に入り。
    むろん、うなぎも美味いです。
    私が行く時は週末と言うこともありいつも混雑しているイメージでしたが、閉めることが検討されているなら残念ですね。
    近いうちリーフの仲間でお邪魔したいなと思っていたのですけど、計画急がないとまずいかな?

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