自動車メーカーの傾向と対策(あくまで個人的な見解です)三菱自動車編
三菱自動車は三菱重工の自動車部門である。御存知の通り三菱グループの前身は九十九商会であり、その前の姿と言えば坂本龍馬が興した亀山社中/海援隊となります。明治政府は明治維新で絶大な業績を残した坂本龍馬(の土佐藩)を大きく評価し、様々な仕事を依頼した。多くを引き受けたのが岩崎弥太郎さんです。ここまで書けば解る通り三菱は国策会社である。
長い期間鎖国を続けた日本の文明を急いで追いつかせようとしたため、今でいうワンチームを作った。土佐藩を代表する三菱グループは(日産は長州藩)、様々な面から国を支えたと言ってよかろう。戦争が始まると本格的な造船所を作ったし、航空機の開発や生産も始めた。戦艦武蔵は三菱重工長崎造船所。零戦の機体設計も三菱重工だ(エンジンは中島飛行機の栄)。
ダイヤモンドプリンセスは武蔵の後輩です
参考までに書いておくと、三菱の航空機エンジンは星の名前が付けられた。雷電などに搭載された『火星』など有名。自動車用エンジンも『シリウス』や『オリオン』になる。そんな始祖を持つため、戦後4輪車生産を開始しようとしたホンダやスズキ、マツダなどは参入時、さんざん国から嫌がらせを受けたのに対し、三菱についちゃすんなり認められた。
クルマ作りも国策企業の王道といってよい。ウイリスからジープを導入し、やがてクライスラーの技術導入した。比較的地味で存在感薄かった三菱自動車が世の中に存在感を示するようになったのは、国際ラリーを始めてからです。比較的早い時期からオーストラリアのラリーやサファリラリーにチャレンジ。「ダルマランサー」で頑丈なイメージを作った。
その後、ミラージュでFF2BOXカー人気に乗り、ターボや4WDを全車種に投入。そういった流れが、WRCのレギュレーションにピッタリはまる! ランサーの4WDターボで参戦したら、クルマを作った三菱自動車もびっくりするくらい速い! すぐ改良モデルである『エボリューション』を投入し、大暴れが始まる。パリダカも4WDターボ技術で参入するや、ポテンシャルを見せた。
それまでは漠然としたイメージしかなかった三菱自動車ながら、WRCとパリダカで世界的なブランドに育つ! WRCによりブランドイメージ作り、パジェロですさまじい利益を挙げたのだった。この二つが無ければ、今でもボンヤリとした自動車メーカーのままだったか、バブル景気後に生き延びれず、どこからに吸収されていたことだろう。ということを益子社長は全く考えない。
今や三菱自動車が風前の灯火状態になっているのは、ボンヤリした自動車メーカーになってしまったからだ。ユーザーからすれば三菱自動車を買う理由が薄い。現在進行形で益子さんはモータースポーツ絶対禁止令を解いておらず、そればかりか新しいトライもしない。単に「利益率高いから」という一点の理由で大型のSUVを中心にラインアップを作ろうとしてます。
世界に先駆けて電気自動車を開発したのだから、モータースポーツで開発をすすめるべきだった。素晴らしいPHVも世界に先駆けて作ったのだから、この技術をモータースポーツに突っ込んだらよかった。もちろんガソリン車での競技も続けながら、です。三菱自動車ほどモータースポーツイメージを上手に使ったメーカーは世界中探しても無い。そいつを禁じ手にした理由が理解出来ません。
日本人から最も敬愛される坂本龍馬は、状況判断能力が素晴らしく高かった。自動車と出会ったらもっとチカラを入れていたことと思う。坂本龍馬と正反対の守りしか考えられない気質の人が三菱自動車をコントロールしているのは、たいへん悲しいことです。三菱グループを見てもMRJでつまづき、クルーズ船作りからも撤退。坂本龍馬の精神を少しは思い出して欲しい。
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