ルノー、当然のことながら日産の持ち株を高く手放そうとしている。ホンダにとっちゃ超迷惑です!

ルノーが日本政府に対し「ルノーの保有株を高く買い取ってね! という動きをしている。交渉役が日本に送り込まれた」とフィナンシャルタイムズ(英)がスクープし、ロイターやブルームバーグもこの情報を流している。まぁ直近の流れを見ていると当然だと思う。といっても何のことか解りにくい。改めて日産とルノーの関係について紹介しておきたい。

ルノーは当初日産の株の43.4%を持っていた。事実上、日産をコントロールしていたと言って良かろう。提携解消となった後、新しい関係は「お互い15%持ち合い対等のパートナーになりましょう!」。ということで、とりあえず43.4%-15%の28.4%をフランスの信託会社に預けた。ルノー名義のまんまだと権利が発生するためだ。28.4%を日産はなるべく早く買い取る約束です。

すでに12.5%を信託会社から買い取り、償却済み。日産の株式を売った金額はルノーに入るため、少しでも高く売りたいところ。ちなみに最後に日産が買ったのは昨年9月末で1株408円でした。当時の株価から考えたら妥当な金額だ。現時点で買い取らなければならない株数は18.7%。1月31日の株価は424円なので金額にすると3000億円。ルノーからすれば少しでも高い方がいい。

日産の株価は338円まで下落したけれど、ルノー動かず。ちなみに日産が破綻し会社更生法の適用になれば、株は消えてしまう。このあたりも日産を破綻させられない理由になっている(日本政府とフランス政府の信頼問題です)。何らかの約束あったことは想像に難くない。そしてホンダを巻き込んでの株高になる。ルノーからしてみれば338円から424円になったことで大喜びだ。

事実上破綻していた日産を助けてくれたルノーやフランス政府のことを考えれば「もっと高く」になって当然でしょうね。3000億円より4000億円の方が好ましい。なんせ12月26日に日産株は556円をつけてますから。実際、この日に日産が買い取ってくれれば4000億円超でした。日産としちゃ株価を上げる術を持たないけれど、日本政府が動いてくれたら500円超はありうる。

ホンダからすればいい迷惑だ。日産の株価が低迷すればホンダの持ち株比率は上がるものの、上がれば日産の発言力大きくなる。加えてルノーの持ち株分は日産の口座から支払うことになるけれど、1000億円高く買うことになれば日産の残高が減る。次世代車載OSの開発負担金に相当します。ホンダと一緒になった時、その分だけ日産の体力弱まるということ。

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