欧州、電気自動車の普及に減速感。1リッター3気筒派とハイブリッドが売れ筋に

何度か書いてきている通り欧州の電気自動車需要はカンパニーカーが引っ張っている。だからこそカンパニカー制度のないスペインなど伸び悩む。逆に考えるとカンパニーカーの需要以外を伸ばすことはなかなか難しいということになる。欧州だってカンパニーカーを出してもらえない人は多いですから。こういった人たちは割高だし、電池のヘタリなどある電気自動車など買わない。

クリオは1リッター3気筒のマニュアルが人気!

どうしているか? お金に余裕のある人たちは明確にハイブリッドである(本当のお金持ちは燃費罰則金を払って高性能車を買う)。ただ人気のあるハイブリッド車を出しているのはトヨタとルノーくらい。ホンダも出しているけれど、サッパリ売れない。皆さんどんなクルマを買っているかとなれば、面白いことに1リッター3気筒ターボです。今や大半のメーカーがラインナップしている。

最近もルノー・クリオがマイナーチェンジで1リッター3気筒ターボを追加し価格もググッと引き下げたところ爆売れ状態に。VWゴルフだって1リッター3気筒のシェアがジワジワ上がっている。なんで1リッター3気筒なのかといえば、燃費と価格と走りのバランスが今の欧州の交通事情とマッチしているからに他ならない。まず1リッター3気筒は生活必需品ということでCAFE増額無し。

私もおフランスで11km/h違反

実際、流れの良い道なら18km/Lくらい走ってくれる。それでいて最高速度はメーター読み180km/hくらいまで出る。今やハイブリッドも電気自動車も最高速度180km/hくらい。加えて欧州全体でスピード違反の取り締まりが厳密化され始めた。欧州に行くと以前のような「走り放題感」無し。10km/hオーバーでオービスに引っかかり、反則金の支払い用紙が送られてくるほど。

欧州全体としてクルマの移動速度に制限を掛け、高性能車の存在意義を否定しようとしているように思う。一方、欧州の自動車メーカーが大きな壁にぶつかっているのは間違いない。燃費の良い安いクルマしか売れなくなっているし、カンパニーカーはリースなので何年かすれば中古車市場で人気の無い電気自動車が大量に戻ってきてしまう。ジャーマン3といえども海外での売れ行きが厳しい。

今やこんな大きい408まで1.2リッター3気筒です

中でもドイツとフランス、スペイン、イタリアは自動車メーカーの政治力が強く、自動車工場の多いハンガリーやチェコなども自動車産業の低迷は景気の悪化に直結します。ホンネを言えば二酸化炭素もCAFEもユーロ7も騒音規制も無ければいいと考えているに違いない。今年は欧州でいろんな不満が出てくると思う。そんな中、トヨタはアメリカで電気自動車工場に1900億円投資するという。

自動車メーカーにとって必要なのは1年2年の読みや流れじゃ無く、5年先10年先の世の中かと。トヨタ、しっかり読んでる。残念ながらメディアは1年どころか1ヶ月先のことすら読もうとしない傾向。今年は「欧米で電気自動車売れない!」とか「ハイブリッド凄いぞ!」みたいな記事が増えると思います。そんな記事見て「やっぱり」とか「そうだよな~」と思っちゃいけません。

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5 Responses to “欧州、電気自動車の普及に減速感。1リッター3気筒派とハイブリッドが売れ筋に”

  1. 子分 より:

    ミライ応援してます。乗って楽しく持続可能な水素エンジンに。まだまだ越えなければならない壁は技術だけでなく社会的にも多数抱えていますよね。それでも今ここで走るミライが存在します。

  2. トヨタ車ユーザー より:

    今回のBEVの流行は、過去にあった一過性のブームではなく、少なからず定着はするのだと思いますします。だた、BEVは高価ではあるので企業のCO2削減に貢献するために(?)カンパーニーカーになったり配達などの一定のビジネスや商用車の中で定着するんじゃないかと。
    一方で排ガス・燃費規制はわかるけど個人で買うには高いよ~という声が、1L~1.2L+ターボ車やHEVの購入に現れている気がします。欧州では1L・3気筒は軽自動車みたいな扱いなのですね~
    アリアやサクラ、ソルテラ(bz4xは最近廉価グレードを出した)だったら値段的にまあこんなものか?とわからなくもないですが、リーフはプリウスみたいなハッチバックでしかないのに高いなあ→売れないだろうなぁと思っております。と言っても今は受注停止らしいですが。

  3. スカラ より:

    私もドイツの一般道で7Km/hオーバーで罰金15ユーロ、フランスで9Km/hオーバーで罰金45ユーロ払いました。
    レンタカーでフィエスタの1Lターボを借りてアウトバーンの下り坂で200Km/hにちょっと届かないぐらいでしたが良く走るし感心しました。ルーテシアのMTが出たらかなりそそられます。

  4. PAL より:

    ホンダのクリオ店、もう無いのだからルーテシアもCLIOに名前を変えても良いんじゃないかなぁ。

  5. 猫まんま より:

    >ルノー・クリオ1リッター3気筒ターボ
    これ国内向けのルーテシア1,3ターボが¥300万円なんだからATとMT値段一緒で良いから¥270万円くらいで売れば売れるんじゃないですかね?
    全長と全幅削って4m未満で5ナンバーサイズなら最強ですね。日本人の大好きな5ナンバー全長4M以下1000ccだし。SUVもキャプチャーとかアルカナにこのエンジン積めば値段次第だけど需要は多いかも。
    我が家にもメガーヌが有りますがとにかく走って楽しい、今時こんな車はそうそうないですね。
    ただし電装系は信頼性ゼロで買って一年くらいですでにディスプレィモニターブラックアウト3回とかふざけんな。おまけにハイオク仕様で街乗り8km/Lと笑えるような燃費の悪さ。まあ1,3Lで150PSとかやってるから仕方無いかとも負います。
    ディーラーのロクに無いテスラなどと違って日産ディーラーがメンテやってるのは安心できますが。
    その前に日本向けは日立の電装系使えばもう少し信頼性が高くなると思いますけどね。

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