トヨタ、VWに負け?
三菱自動車がタイで新型パジェロスポーツを発表した。日本では2001年までチャレンジャーという名前で売られていたクルマの後継車ということになる。新世代のピックアップトラックのシャシを使う三菱自動車にとって重要な世界戦略車。タイで生産され、オーストラリアやアセアン、ロシア、中米に輸出されます。
ここまで読んで「トヨタIMVのライバルですね!」と思った人は鋭いです! 現在このカテゴリーはタイなどで生産し、新興国受けに輸出するというのが流れ。マツダの『BT50』や日産『ナバラ』もこのカテゴリー。共通するのは「どれもカッコ良いし魅力的」ということ。もの凄い激戦区なのだった。
ここで勝負していくにはそれなりのブランド力や、一歩抜けた技術力が必要。パジェロスポーツの場合、自動ブレーキを付けられるようだ。果たして新興国でニーズあるのか不明ながら、三菱自動車のマーケット担当はそう判断したのだろう。パジェロスポーツが売れてくれればずいぶん楽になるでしょうが‥‥。
といった新興国市場を見ると、日本勢同士で激しいつばぜり合いをしている。もっと言えば、アメリカや欧州市場から撤退や規模縮小して新興国で生き残りをかけるしかないんだと思う。となるとトヨタは野球で言えばジャイアンツのようになる。みんなでトヨタを狙ってくるのだった。一方、VWが強い市場は日本が弱い。
そんなこんなでトヨタはVWに世界一を譲ることになるのだけれど、メディアの取り上げ方を見ると「トヨタがVWに負けた!」と大喜びしてます。以上のような状況でトヨタは厳しい戦いになり(トヨタにとっての主力市場である日本市場も厳しい)、VWが普通に伸びているだけ。
日本人ジャーナリストとしては、もう一度ヨーロッパ市場に注力してる日本車が見たいと思う。このところ日本車は明らかに減ってます。ヨーロッパを攻めない限りVWは安泰だ。ちなみにVWの台数、中国市場の景気によって大きく左右される上、利益率という点では圧倒的にトヨタ有利です。
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