ホンダ社長交代。果たしてどうなる?

ホンダは次期社長に三部さんが就任することを発表した。人柄の良い八郷さんながら、後世ホンダを語る際、残念なことに歴代社長の中で最も高くない評価になってしまうだろう。やはり「ホンダ」という大きいチームを「地域毎に利益を考える」という小さいチームに分けてしまったことが決定的な弱点になってます。大きいチームで考えたらホンダeなど絶対作らなかったろう。

「地域で利益を上げろ」という八郷戦略、数日前に紹介したけれど、多くの自動車メーカーの方から異口同音「スケールメリットを追求してコストダウンしようという世界的な流れの中、ホンダさんはどうして小さいメーカーに分ける戦略を立てたのか理解出来ない」。八郷さんと二人三脚で進めてきた倉石副社長が残るし、三部さんも「倉石さんと価値観は同じ」と会見で言った。

地域毎の独立採算制は続くと思う。とはいえ今後のことは「楽しみにしてます」と思うのみ。三部さんの采配に期待したい。上手く言ってるかどうかについちゃ2年後くらいに見えてくるんじゃなかろうか。入社以来、ホンダの“柱”となっているエンジン一筋の人なので、エンジン部門は残しながら少数精鋭主義とし、現実をしっかり考え電気関係に注力するんじゃないかと予想している。

今回発表された人事で明るいニュースは、モータースポーツ関係です。今までホンダのモータースポーツをコントロールしてきたのは、フィリピンやメキシコなど海外営業畑だった人。2019年4月の就任時から、ホンダ社内でモータースポーツに関わっている全ての人が「なんでモータースポーツを知らない人を責任者にするのか?」。辛口と言われる私すら驚くほど評判悪かった。

今回、2年間という極めて短い任期で交代! 良い選択だ。新しいモータースポーツ部長は「ホンダの考え方」をしっかり持っている渡辺ブランド・コミュニケーション本部長のコンセプトをキッチリ具現化出来そうな人になった。4輪担当も欧州のモータースポーツなどに造詣の深い人に。ブランド・コミュニケーションはホンダ全体のイメージを作れる。「元気さ」を感じるようになるかも。

特に今年ホンダとして参戦する最後の年になるF1は、F1嫌いなモータースポーツ部長が降板。ホンダとしてのブランドイメージを再構築しようという体勢になる。的確にアピールしていけば、今年だけでなく2024年までホンダのイメージ戦略に使えます(2024年まで事実上ホンダ開発のパワーユニット)。その他、コストパフォーマンスの高いモータースポーツ戦略を構築出来たら欧州も面白い。

メディアを担当する広報部長はどうか。今まで前出のブランド・コミュニケーション本部長が兼任していた。4月から兼任で無く専任の広報部長になります。若い頃からお付き合いのある方なんだけれど、人とコミュニケーションすることがあまり好きじゃないようだ。タイ駐在で広報担当をしていた時、日本手配でBR-Vを借りた。現地で「何かあったら連絡くださいね」の類、一切無し。

面識の無い人でも海外で広報車を借りたら緊急時の連絡先を連絡してくる。広報部長、人とコミュニケーションすることが好きじゃ無いと厳しいかもしれません。ただ5年くらい経っているので、当時と全然違う考え方になっている? いずれにしろ新任からしばらくは、先入観を持たずに考えたいと思います。ホンダが三部新体制でどうなるか楽しみにしたい。

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