ルノー、日産からのシノギ途絶え1兆円(!)を超える赤字!

自動車メーカーが単年度で出した赤字として驚くべき金額である! 大丈夫なのか? と思う。内容を分析していこう。まずルノーの場合、決算の期間を見ると「年度」じゃなく「年」。2020年1月~12月までになります。ウチ、コロナ禍により販売減少は4月~12月で顕著に出ている。販売台数の減少幅でいえば、対前年比で21%の減少。世界販売台数だと前年比14%の減少。

他の自動車メーカーと比べ、減少幅が飛び抜けて大きくなった。なぜか? こらもう簡単。ルノーって欧州でしか通用しないクルマしか作っていない。ルノー車、デザイン的な普遍性なくアメリカで売っておらず中国人気低迷。東南アジア市場無し。オーストラリアだってダメ。欧州に南米、アフリカしか売ってない--正確に表現するなら人気無くて売れない。

そして欧州市場は新型コロナで大きく凹んだ。PSAグループと並び、大きく販売台数を落とすことに。その上、ルノーの巨額の利益をもたらしていた日産が稼いでくれなかった。日産、新型コロナ禍と全く関係無い2019年4月~2020年3月期で6712億円と巨額の赤字を出した。ルノーにとって言えば新型コロナ禍と関係無い2020年1月~3月に早くも大減収になったワケです。

さらに2020年4月から日産も新型コロナ禍の大減収に見舞われる。日産の販売状況、9月あたりからアメリカなどで復調の兆しを見せており、特に2021年1月~3月はプラスに転じているものの、ルノーの会計年度分に組み込まれない。つまり日産単体で考えたら最悪の1年になった。ルノーの赤字額、1兆240億円となっているが、ウチ6360億円は日産の赤字になります。

ルノー単独で考えると3880億円の赤字に減り、しかも2021年2月に入り欧州の新型コロナ感染者が大幅に減少。市場も若干良い方向を向いているため悲観していないようだ。さらに2021年決算になると日産の赤字も止まる可能性出てきた。おそらく2021年の決算で大幅に赤字額を減らし、2022年は日産からのシノギもバッチリ入ってくると言う読みなんだと思う。

今後どうなる? きっと縮小均衡策を取り、大規模のリストラをするだろう。労働組合の強いフランス、工場閉鎖やリストラが極めて難しい国として知られるけれど、さすがに1兆円の赤字を出すと「生き延びてくれるだけでいい」みたいな空気になります。工場閉鎖やリストラだって可能。この際、軽量化して黒字化を目指す。その上で日産からのイノギが以前のように入ってくれば大成功です。

<おすすめ記事>

コメントは受け付けていません。

このページの先頭へ