志賀さんが関係するちょっといい話です。日産、リチウム電池会社の株式を取得へ

ゴーン体勢の時、日産を現場で切り盛りしていた志賀さんは、ゴーン騒ぎの時にも書いた通り不祥事と距離を置いていた。志賀さんに聞いたら何度も任意で取り調べを受けたそうな。関連資料も全て公開し、むしろ関係無いことが証明されたということなんでしょう。以後、様々な「日本を立て直す事業」に取り組み、御年69歳ながら日産時代の仕事が評価され引っ張りだこです。

中でも『INCJ』という官民ファンドはCEOという重責。簡単に言えば「銀行などが投資しなくなり国も産業の育成支援をしなくなった。このままだと我が国の将来は厳しいと考えた”心ある官と民”が組んで産業の育成をしましょう」という組織です。日産が今回株式を所得する『ビークルエナジージャパン』は日立グループで立ち上げたハイブリッド車用リチウム電池会社。

ちなみに日産関連の投資先は”ほぼ”無いです

2004年に始まり、主として日産にリチウム電池を供給していた。現在もeパワー用のリチウム電池を生産している。しかし2018年に日立を含む業績が悪化。売却して換金しなければならなくなってしまう。そんな状況を見た志賀さんはビークルエナジージャパンに47%投資。そうこうしているうち、日産の業績も上がり、eパワー用の電池生産量も増えてきた。

日産のプレスリリース

今回、INCJが投資した時の金額より高い金額で日産がビークルエナジージャパンの株式を取得します、ということになる。結果、日産は自社でハイブリッド用のリチウム電池を調達出来るようになった。様々な事情で経営が成り立たなくなっている企業の可能性を判断し、日本にとって大切な技術や企業だと思ったなら投資して立て直し、元気になったら株式を売り投資を取り戻す。

志賀さんの面白さは「投資会社としての利益」ではなく「日本の産業を守る」を主目的としているところにある。広義では豊田自工会会長の「550万人の仲間」を減らさないようなことをしているのだった。先日、織田信長を調べる機会があった、織田信長の凄さは「商人を豊かにして規模を大きくしていけば自然に税収も増えて行く」を実践したことにある。

今で言えばビジネスの障壁になるようなことを全て撤廃し、インフラも作る。どんどん利益を上げて欲しい、ということ。なるほどお金が動けばみんな豊かになり税収増える。今の我が国の政府がやっていることは逆のことばかり。産業を興そうとせず、困っている人にお金をバラまくのみ。本来ならリチウム電池や太陽光発電パネル、地熱発電など投資すべき分野は山ほどあります。

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3 Responses to “志賀さんが関係するちょっといい話です。日産、リチウム電池会社の株式を取得へ”

  1. 小林荘樹 より:

    エネルギーの 調達で日本は 貿易収支の 大赤字に陥っている。 どうして 個人向け 住宅に太陽光をもっと設置する戦略を考えなかったんだろう。 10年戦略を続ければ もっと発電量もあがり エアコン等の 電気の発電も 火力発電に頼る比率が少なかったのに。 私は義侠心で、家の離れにも 太陽光を設置して 夏の昼間には 自分の電気で間に合う。 追加の太陽光は 買取価格が17円になってしまったがほぼペイ できるので設置した。

  2. CX-60 より:

    日産も電池メーカーを確保したという事で、上位3メーカーそれぞれエンジンに代わるバッテリー生産を確保したことになりますね。もうちょっと、急いでもいい気もしますけど、アメリカ対策だとすると大統領が変わったり経済の風向きが変わっただけで、規制まで変えてしまう国なので、空振りにならないようにしようとすると仕方ないのかな。

  3. z151 サンバー愛好者 より:

    先日亡くなられた稲盛氏もそうですが、こういう経営者の方ってまだまだいらっしゃいますね。
    ダメな経営者の方が余程数が多いので(私も店を潰したクチです)日本全体としては浮かんで来ませんが。
    あと名選手必ずしも名監督に非ずというのもあって、後継者難となっているカリスマ経営者というのも記事で目立ちます。
    大塚家具なんか有名ですが、ユニクロもやってますし、最近では日本電産も。
    日産からヘッドハンティングされた関氏が次期社長かと思われたけど、どうやら更迭。
    中々難しいですね。

    日産ニッサンと呼んでいますが、そもそも「日本産業」だった訳で。
    そういう意味で志賀氏がされていることは今も昔も「日産を盛り上げること」なのかもしれません。

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