豊田章男さん、電気自動車に消極的と報じられる。モリゾウさんウォッチャーが怪説します
ある程度予想はしていたけれど、豊田章男さんがアメリカのディーラー達に向け「電気自動車の普及はメディアが報じている期間より時間が掛かると思います」。メディアに対し「様々な規制をクリアは現実的に難しい」ということを言ったようだ。こういった発言、どう考えるべきだろう。まず章男さんの電気自動車普及懐疑論は今に始まったことじゃない。
もう至る所で「電気自動車の普及には時間が掛かる」というデンパを出してましたから。したがって今回の発言の内容を見ても聞いても私は驚かないです。世界の流れと言えば電気自動車ということは認識しており、公式な場での意見表明をしてこなかっただけです。ここから本題です。ブルームバーグもロイターもトヨタが電気自動車を否定しているような雰囲気を伝えている。
だからといってトヨタは電気自動車の開発にブレーキを掛けているかとなれば、そんなことない。電池工場を自社で作る計画は縮小ドコロか拡大中。電池の原料の調達戦略もしっかり続けてます。第一弾のbZ4Xこそ厳しい評価ながら(内容的にイマイチ)、多車種を開発中。強いて言えば「売れそうな電気自動車の登場が少し遅れるかな?」といった感じ。
電気自動車についてアナウンスの無いマツダは株価ツレ安
逆に今回の章男さんのコメントを見るとトヨタの戦略が見えてくる。確かに急いで電気自動車を出してもお客さんは飛びつかないから売れ行き伸び悩む。世界に先駆けて電気自動車を出した日産が好例。皆さん疲弊したあたりにドカンと商品展開をしようということなんだと思う。準備をしていないメーカーなら章男さんの発言は「逃げ」になる。
けれど準備をしていれば「出すタイミングを見ている」。もちろん章男さんのイメージより大幅に早く世界の電気自動車化が進めば厳しい立場になるけれど、電気自動車を高く評価する私でも普及は少し時間かかると予想している。全ての材料や環境が追いつかないですから。そもそもお客さんのニーズだって様々。トヨタの顧客第一主義の表れです。
次世代のパワーユニットに情熱を掛ける社員も多い
確実なのは、電気自動車の普及までの繋ぎとしてハイブリッドが素晴らしい役割を果たすこと。少なくとも電気自動車しか売れなくなる日までは化石燃料使うクルマで最も熱効率良い。アメリカだって2050年まではガソリンを売っているし、環境問題に厳しいカ州だって2035年までハイブリッド車を販売出来る。直近の10年は作りきれないくらいハイブリッド車が売れそうだ。
さらに下がったらトヨタ株は金利付かない定期預金より面白いと私は考えます。
<おすすめ記事>
個人的にですが、今の世界には二人の圧倒的なセレブがいると思っています。
一人は、ビル・ゲイツさん。
とっくに現役を引退していますが、コロナ禍前からウィルスによるパンデミックリスクを唱え、メッセンジャーRNAの基礎研究から、ベンチャー投資していたと聞き及んでいます。この投資がなかったら、コロナに間に合わなかったと思うと、背筋が寒くなります。
もう一人は、モリゾウさん。
現役バリバリながら、ゴーンみたいなガツガツした私利私欲が一切ありません。日本自動車業界の全体最適の先に、トヨタの個別最適があるという思想とお見受けしております。はい。
こういう方が発するコメントですから、中国や欧州への牽制球とか、EV開発遅れの自己正当化とか、とてもそんなケチな料簡の話とは思えません。
話はズレますが、自分でビートを保有してクルマ好きとしての幸せに浸っておりますが、これ、セカンドカーだからこそ。ステップワゴンもあるから、日常生活には全く不便はないし、家族も誰も文句を言わないんです。
テスラはEVの成功例として高く評価されていますが、おそらくセカンドカーだから満足度が高いのではないでしょうか?
EVをファーストカーで保有するということは、常にガソリン半分以下の状態から運転するようなもの。しかも出先での充電には、インフラ的にストレスがあります。
リーフが伸び悩んだのは、いきなりファーストカーを目指したからだと思っています。
まだまだEVの性能は、お客を選ぶ段階です。そして日本人が先行経験したファーストカーのEV疲れは、少なからず世界も経験するはず。
だからモリゾウさんは、その点をふまえて近未来をコメントしたのかなと、勝手に妄想しております。
まぁ、電気自動車は暫く海外先行で進むでしょうね。
日本の場合は政府が率先して普及させなければならないですが現状は寒いですなぁ。
(まぁ、電気料金の補助金はやるみたいですが)
BEV推進派が自動車がCO2を出しさえしなければいい、という近視眼的な考えなのに対し、モリゾウさんはエネルギーシステム全体を視野に入れて諸々の発言をされている。
うーん、私はどちらかというと「電気自動車が好きだ君」のほうに入るのですが、あえて欧州やアメリカに電気自動車に傾倒する理由を聞い見てみたい気がします。
産業として、自国の進歩を守りたいから?株主へのアピール?でも、バッテリーはほぼほぼ中韓のメーカーに押さえられている。
普及がはやいという、ノルウェーの話も聞かなくなりましたね。安い水力発電が使えるのは北部の河川が豊かなところだけで、南部は石油系発電で電気代も高いのだとか(ロシア侵攻の影響)。バカンスの充電器渋滞も有名。中国はPHEVのほうがよさそうだと言っている。
やっぱり、敵はカーボンであり、地に足を付けた推進が必要だと思います。