近所づきあい

晩年をラグナビーチで過ごした偉大な大先輩である大森実さんのコトバは今でも私の中に数多く残ってます。「国沢君。企業の広報と宣伝は似てるようでいて全然違う」。曰く宣伝はお金を使ってメディアのチカラを借りる。メディア側もある程度割り切って場所を提供しているのだという。

一方、広報とは自分を正しく理解してもらうための社会活動だと言う。「近所づきあい」を考えれば分かり易い。例えば隣に引っ越してきた人が誰だか全く解らなかったらどうか? 気味悪いワな。引っ越してきた方もそのあたりは認識している。宣伝の手法だと「プレゼントを配りまくる」。

多少イヤなヤツだったとしても、何かくれればとりあえずお付き合いしちゃう。東京電力が好例。TVも新聞も雑誌も、どれだけ潤ってきたことか。けれど悪いことをしたなら、イッキに状況が変わる。あれだけお金を貰っていたのに、今やボッコボコ。東京電力にも頑張っている部門あるのに無視だ。

前述の通り広報活動とは「理解してもらうこと」。大森実さんによると「広報は社長の代理だ。そこを理解している企業が強い」。確かにしっかり機能している広報を持つ企業を見ると、”有事あった時”の回復も早い。ちなみに「しっかりしている広報」とは、予算の問題じゃない。気持ちです。

自動車メーカーは新型車が出ると媒体だけでなくフリーランスも試乗会に呼ぶ。その時は記事にならなくたって理解して貰えればいい、というコンセプトである。「手間も掛かるので止めちゃえ」、という社内も声も少なくないようだが、輸入車だってキチンと試乗会を行う(私は出席率超悪い。申し訳ないっす)。

ECOカーアジア』で日産がメディア(特に個人)に冷淡と書いた。電気自動車は日産にとって重要なプロジェクトなんだと思っていた。もし日産に「理解して欲しい」という気持ちがあったなら、電気自動車にとっての新しい一歩である『リーフRC』の資料くらいFAXかメールで送ったら良かったと考える。

横浜の中華街で晩ご飯を食べた。聞けば震災以後、お客が急減したままとのこと。横浜の中華街と言えば「宣伝ベース」で知られる。どの店も「良い」と書いてあるため、結果的にどこに入って良いか解らず、私も「ハズし」の連続でございました。「高くて美味しい店」はありますけど。

しかし存続の危機を迎え、大幅に変わりつつあるのだという。何より安くなった。頑張ってる店が増えた。一人1890円のコースで美味しい中華料理をお腹いっぱい食べられましたから。されどお客少ない。入った店は食事終わって出るまで私らだけ。中華街全体も閑散としてます。

金の切れ目が縁の切れ目。「宣伝」で推してきたため、厳しい状況になってもほとんど紹介されず。日頃から「広報」活動をキッチリやっていれば、メディアの皆さんも「横浜の中華街の変化」をキッチリ伝えてくれると思うのに‥‥。週末でも予定がなければ、ぜひとも横浜の中華街で食事などいかがか? 

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2 Responses to “近所づきあい”

  1. applefanjp より:

    横浜中華街、そんなに人手が減っているんですか?
    聘珍樓さんや萬珍樓さんもそうなのでしょうか?
    お上りさんの自分が訪ねるお店です。
    しばらく上京の機会はありませんが
    訪ねたくなりました。
    日産広報への喝!そして、エール。
    きっとやる気と元気を与えることになると
    思います。
    明日、いよいよ自分のリーフが登録されます。

  2. 長男です より:

    確かに中華街は変わりました。
    ものすごく前のことですが、店出している八百屋にあった冷凍ライチについて、このまま持って帰って大丈夫ですかと聞いたところ、「しらない」と答えられた経験もあります。
    それ以外の店も買わないなら近づくなといった雰囲気でした。
    つい最近、仕事で寄って昼食をとったのですが、同じ街とは思えないサービス、雰囲気、値段でした。
    かなり改善して、努力しているさまがありありでした。
    今の中華街ならわざわざ行く価値があると思います。
    また行って、美味しいものを食べて来たいと思いました。

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