海外生産は割高?

インドのショーで発表されたトヨタとホンダの新型車の価格は、いずれも100万円程度からの頒価というアナウンス。ホンダの場合フィットより下のクラスだし、トヨタだってカローラより一回り小さい廉価版。加えて助手席エアバッグやABSなどは標準装備じゃない。つまり決して安くないのだった。

実際、中国やタイで生産&販売しているクルマも、同等装備の日本仕様と比べれば高価。だからこそ今までタイで生産されたクルマを日本に持ってくるという構図は成り立たなかったワケ。それならインドや中国向けも日本で生産すればいいと思うだろう。なぜ出来ないのか? こらもう高額の関税のためである。

仮に日本の方が10%安価に作れたとしても、25%の輸入関税(例えば中国)を掛けられてしまえば勝負にならない。中国など良い方で、新興国の多くは事実上の禁輸に近いほど高額の税率です。したがって今までは「少量生産で割高になってしまうけれど現地の工場で生産する」という対応をしてきた。

さて。中国とインド、そして直近のタイの面白さは、今や日本と同じくらいの生産規模になりつつあるという点にある。加えて日本向けの部品を海外で生産する部品メーカーも多数出始めており、そう遠くない将来、大幅なコストダウンが可能になること確実。部品安く作れれば、レーバーコストは圧倒的に低い。

もう一つ。中国はアセアン諸国とのFTA(自由貿易協定)を締結した。中国とアセアン諸国との輸入障壁が無くなったことを意味する。我が国を見ると農業保護のため、FTAの締結など全く考えられず。したがって日本から部品を輸出したら関税掛かるため、部品も完成車と同じく工場を海外に移すしかあるまい。

日本は国内で完成車や部品を作ることを政治が阻害してきたということです。この流れを変えない限り、雇用環境の改善など無理かと。民主党は変えられるか?

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3 Responses to “海外生産は割高?”

  1. mtip より:

    いつも更新を楽しみにしています。
    農家への個別補償はFTAの布石と思い、民主には期待したのですが。
    自動車に限らず農業であっても、すべての産業にとってFTAは切り札になると思います。
    しかし最近はいまの政権に期待するほうがアホなのかと思うようになりました。
    短い期間ですが仕事の都合で中国で暮らした経験から、日本政府の呑気ぶりが気になって仕方ありません。
    どうやら、アジアは本気です。
    幻のような昔の栄光にすがっているだけでは、日本に新しいトキメキは生まれないと思うのですが…。
    時代に逆行しているのに、平気でいてしまう今の日本が怖いです。
    また、なににつけても他人事のように「参院選後」という政治家のスタンスには呆れて仕方ないし、本当に暗い気持ちになります。
    一個人として、なんとか新しいことを始めようと地道に努力するしかないとは、わかっているのですが。
    ますます強まる閉塞感に長い愚痴を書いてしまいました。失礼しました。
    これからも応援しています!

  2. うずしお より:

    日本は東南アジアではシンガポール、ベトナム、
    フィリピン、インドネシア、マレーシア、タイ、
    ブルネイの7ヶ国とEPA(経済連携協定)を
    結んでいます。
    自由貿易協定の要素に加え、貿易以外の分野
    例えば人の移動や投資、政府調達、二国間協力等を
    含めて締結される包括的な協定です。
    協定が締結され関税が即時撤廃されるもの、
    10年、15年かけて段階的に引き下げられ
    最終的にゼロになるもの、ずっと関税が
    残るものいろいろあります。
    現在日本から車の部品を輸出した場合タイでは
    20%の関税が掛かります。締結から5年後に
    見直しがありますが20%のままでしょうね。

  3. まこと より:

    政治が機能するかは、国民の意識。間違った報道には、断固抗議!
    2日のTBSの番組でも。高速道路無料化したら、使わない人の税金が使われるなんて大嘘言っている!
    当然抗議の電話をしました。ぐちるのではなく、まず行動では?

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