エスピノーサさんのインタビュー記事、どれも甘い! 本当に知りたいことを聞いてくれません

日産のエスピノーサさんのインタビュー記事が散発的に出ている。当初はTVや新聞など大手メディア。ここにきて様々な分野のメディアに登場してます。内容を見ると共通してるのは「厳しい質問ありませんね~」。聞く方が忖度してるのか、そういったメディアしか声を掛けないのか不明ながら、おしなべて「厳しいけれど再建策は順調」とか「エスピノーサさんはクルマ好き」ウンヌン。

日産が気になっている人は「そんな甘くないでしょ」。まぁ私の取材など受けないだろうから聞くチャンス無いと思うけれど、本当に日産が好きだったり、ステークホルダーだったりビジネスパートナーだったりするなら、現在進行形で不安になっていることを知りたいんじゃなかろうか。ということで以下、エスピノーサさんに聞くべきことを列記してみた。

1)失敗の理由追及と責任を明確にしているのか? 日産低迷の原因を追及しなければ改善策は見えない。なのに内田前社長や星野朝子副社長など高い退職金を支払い無罪放免。最高財務担当者のマー氏は中国の最高責任者に任命するなど、現在進行形で旧経営陣の総括をしていない。社外取締役も変更無し。日産を改革すべく孤軍奮闘していた井原氏を除き、責任は大きい。

2)何をやっているのか解らない外国人が多い 今や世界の自動車産業を見ると好調なのはトヨタやヒョンデ、BYDに代表される東洋系。西洋系の経営者が優れた仕事をしているケースは多くない。実際、内田氏や星野氏のデタラメな経営を放置していた。加えて日産は日本の自動車企業である。トヨタやスズキ、ホンダのように日本人の資質を活かすべく日本語で経営すべきでは?

3)なぜ売れそうもないクルマを出すのか? 次期型エルグランドは多くの人が「売れない」と評価している。こう言うと「良い評価もある」と言うだろうけれど、自動車業界の多くの人はすでに失敗作だと考えている。これだけ厳しいと言われながら失敗した場合、誰が責任を取るのか? 前経営陣みたいにエスピノーサさんは退職金を貰っていなくなるだけか。

4)現在日産が行っているのは縮小均衡策。車種を減らすべきかと 次期型エルグランドを発売するなど今だ日産はフルラインナップにこだわっている。今年の日産の販売台数は320万台程度。スバルを見ると1プラットフォーム、1エンジンで100万台をカバーしている。320万台ならプラットフォーム3つ。3エンジンくらいでカバーしないと量産効果出ない。

エスピノーサさんがどう答えるか不明ながら、返事についてさらに詳しい説明を求めればあっという間に1時間くらいになります。逆にこの4つについて掘り込めば日産の今後が見えてくると思う。なんと言っても日産は日本の財産。自動車好きからすれば絶対残したいメーカーである。そんな時期に日本語を理解しない社長というのも残念でならない。失敗を繰り返さないで欲しい。

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2 Responses to “エスピノーサさんのインタビュー記事、どれも甘い! 本当に知りたいことを聞いてくれません”

  1. アクシオム より:

    悪いですが、自動車系メディアで鋭く切り込んだインタビュー記事正直最近ではないですね。日産はいうに及ばす、危機が日産に近いものがあるマツダ、そしてホンダ、トヨタ。ワタクシからすると、自動車系ジャーナリストは、社外広報か、自動車評論家というよりも自動車解説家といった方がいいんじゃないですか。そういう方々が取材して、インタビューを取っても、取材対象たる自動車メーカーに忖度、ご機嫌取って、ぎりぎり苦言になるかならないかのご意見がいえるかどうか・・・
    トヨタイムズは、マスメディア、特に経済系のマスコミがトヨタをちゃんと報道してくれないから、トヨタ自身が発信を始めたと思っていますが、そこに自動車系ジャーナリストが登場したら、トヨタに対して苦言になるご意見を言えるのか・・・事実、登場しちゃってますけど。
    あとは国沢さんが、きちんと日産に申し込んで社長にインタビューしていただくことですね。ぜひ!

  2. アミーゴ5号リリボーン より:

    最近気づいたことがあります。

    トヨタの役員は、自らの過ちや至らない点を率直に認めて詫びた上うえで、課題と対策を話します。だから信頼できるし期待できるし、応援したくなる。

    それに対してゴーン以後の日産役員は、自分の無能ぶりは棚に上げて屁理屈をグダグダこねるばかりで、頭を下げて詫びたところを見たことがない。

    最近ようやくエスピノーサ社長が、自分の言葉で「クルマ」を語り始めたけど、他の役員が会社のために何かを語るようなシーンは見たことがない。

    更に言うと今回のJMSだって、日産ブースの雛壇はガラガラだったし、展示車両にも直近何が何でも売り抜いて生き残ろうという意思が見えなかった。

    ひょっとしたらですよ、
    日産再建に向けて、火中の栗を拾おうとする日本人幹部が、もはや日産にはほとんどいないのでは?

    役員同士で責任をなすり付けあってきた日産ではですよ、
    日本人幹部も外国人幹部も、エスピノーサ社長に全責任を押し付けてバックレようとしているのでは?

    妄想ではないですよ、
    先だっての社長と副社長が、気配は消すけどガッポリ巻き上げていった辞任の様子を見て、オイラ実感しちゃったもん。

    国沢さんの質問は、それこそ会社立て直しの基本のキ! 日産なりエスピノーサ社長なりが明確に答えない限り、いかに日本人といえども、安心して日産車を買うことがことができないと痛感しています。

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