クルマの下回りのサビ、メーカーでも塩水試験をやっているのになぜ発生する?

八丈島自動車整備工場のイケメン3代目が「こんなクルマもけっこうあるんです」とサビの状況を見せてくれました。日産自動車大学校の校長先生達も「これは……!」と声を失ってました。外観はサビ一つ無く綺麗なミニバンながらリフトアップして下を見ると以下の通り! 写真をクリックして頂けると大きい画像になるのでよ~く解ります。下はフロントサスのアームが付くサブフレーム。

サビを考慮しある程度の厚みを持たせているのだけれど、そろそろ危ない感じ。経過観察しながら適当なタイミングで交換するという。島は速度域も上限で60km/h。横方向の大きなGも出ない。ただ経過観察しないまま乗ったら危ないです。こういった重要な箇所、自動車メーカーでも塩水プールに漬けてサビの発生確認をしているハズ。なのになんでサビるのだろうか? 以下、私の想像です。

自動車メーカーが使う塩水、おそらく真水に塩や融雪剤に使われる塩カルを混ぜたものでしょう。割と純粋な塩水です。されど実際の塩水や潮風は電荷を持っていると思う。よって純粋な塩水よりタチが悪いんじゃなかろうか。上は燃料タンク。モナカのように溶接されており、接合部の剥がれも出るという。こうなると燃料漏れしちゃう。これまた予防的な措置をしなければならない。

凄いのはブレーキ。本来ならブレーキ掛けるとパッドでローターを押すためサビにくいハズ。なのにこのクルマはアップダウンの少ない地域で使われている上、速度レンジ低く強いブレーキを踏まれることもなかった? 結果的にブレーキローターがサビ、パッドもダメになり、ピストン部分も怪しい状態になってしまう。こうなるとローターまで使えなくなってしまう。

サスペンション周りはサビを見越しで肉厚の部材を使う。今後、軽量化しようとすると薄板化をしなければならない。そうなった時、どのくらいサビの耐性を見込むかで大きく状況が変わってくるんじゃなかろうか。この写真の中で一番厳しいのはどこだか解る増すか? ダンパーの下側取り付け部分です。ここがサビで強度落ちると、大きな入力でちぎれます。

海沿いだから仕方ない、と言う人は多い。でも雪が降る地方のクルマも融雪剤を撒くと同じような状況になると思う。メーカーは重要な部分だけでもサビに対する強さを確保して軽量化をするべき。開発担当者や部品の担当者、工場関係者はたまには現場に行ってサビているクルマを見て回ったらきっと良いアイデアが浮かぶと思う。工場の次世代オーナーに聞いたら「メーカーによる差はあります」。

あらま!

注・この記事は一切利益供与はありません。お弁当も無し(ぷっ!)

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7 Responses to “クルマの下回りのサビ、メーカーでも塩水試験をやっているのになぜ発生する?”

  1. NAN より:

    塩水試験錆びないのが合格条件ではありません。試験後は確実に錆びます。錆びてもすぐ壊れないなら合格なんで結構いい加減です

  2. z151 サンバー愛好者 より:

    多分「一見ボディには錆ひとつないミニバン」なのでエスティマかなと思うのですが。
    後ろディスクブレーキかつド・デュオン式みたいなのでそう思ったのですが。
    あのアルトだったら「まあリフト掛けて裏から見たらこんな感じというのも…」ですが、割とマメに洗車してそうなエスティマも裏返せば…だと島のクルマの健康状態が気になりますね。
    よくタイヤ交換とか定期点検の時に「シャシーブラック吹きますか?」と言われますが、アレやっておくとある程度予防になるのかな?
    一番はマメに下側も洗車することだとは思いますが。
    ブレーキが腐るというのは見たことなかったですね。
    ずっと乗っていない車のシリンダーが固着したというのは見たことがありますが。

    リチウム埋蔵量で世界有数と云われているボリビアのウユニ塩湖、ほぼ干上がって塩の大地みたいになっていますが、雨季の1~3月は表面数cmだけ水がある「巨大な水溜まり状態」になるそうで、映え写真スポットとして有名です。

    https://www.eurasia.co.jp/attraction/feature/uyuni_special

    ほぼ塩なので八丈島より過酷な環境だと思います。
    ここの近くの街でのクルマはほぼハイラックスかランクルだそうで、それ以外のクルマは「1年と保たないのでそれ以外の選択肢がない」と云われています。
    そういえば写真に映っているのもランクル80。
    エスティマと何が違うのか判りませんが、30年前くらいのクルマがこの環境で現役なのは何かがありそうです。。

  3. inaken より:

    島行きの新車って顧客注文で追加で防錆剤の塗装をされる事がありますね。
    コールタールみたいなやつを。
    中古車に施した事は無いです。

  4. 天秤君 より:

    40年前の論文誌、防食技術の論文読むと、実環境の乾湿繰り返しが、メーカーの防食試験とあっていないとありますが、現状はどうなっているのかな。

    私の場合、違う分野ですが、沖縄の暴露試験体が、むしれ錆びなかったりと、現実は難しいですね。これは、台風などで洗われる効果のせいだろうと考えていますが。

  5. natumenatuki より:

    ボディの本体は、しかるべき塗装工程を、経ている為に、比較的に、錆びずらいですね。
    後付けの、主に外部業者の、納入パーツは、塗装設備が、貧弱な業者の場合もあると思います。
    塗装の前処理、焼付の塗装など、原価のかかる工程です。安全に、直結する、足回り部品では、手を抜かないで、欲しいですね。
    化学の分野では、常識ですが、イオン化傾向の、違う金属部品の、絶縁の重要性も、継承を、し続けて欲しいですね。濡れると電流が発生して、電池の極となって、片方の金属が、水に溶けだして、消滅します。
    アルミボディの、初代NSXは、鉄と、接する部分は、全てを、絶縁していました。

  6. 猫まんま より:

    今までの経験でいえば錆に強いのはトヨタダイハツ。最近はましになってるだろうけど錆びまくったのがホンダ日産マツダスズキ。意外と錆びないのがスバル。
    タウンエース4WD乗ってた頃はシーズン中に10回くらいはスキーに行ってましたがろく掃除もせずに帰りに洗車場に寄って下回りだけ洗ってましたが全く錆びなかったです。家族がスズキアルトワークスでスキー行って下回りだけ洗ってましたが真っ赤っかの錆びだらけ。インプレッサも全然錆びませんでした。スバルは錆止めは強いんだけど塗装の質は悪く艶もなかったですね。
    会社の上司が乗ってたR30スカイラインは新車で買って毎月手洗い洗車していてスキーとかもいかないのにボンネットとか下回りが錆びだらけ。マツダのファミリアは論外。知り合いの板金屋が言ってましたけど「塗料はどこも同じ、結局の所生産ラインの塗装する機械の品質の問題」とか。
    >メーカーの差はあります。
    納得できますね。
    注・この記事は一切利益供与はありません。
    お弁当はトルコライス食べました(ぷっ!)

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