ホンダの次世代電気自動車『ゼロ』。いろんな意味で「う~ん!」。少量生産車なら「いいね!」

ホンダ・ゼロのお披露目が行われた。取材に行こうと思ったけれど、事前に入ってくる情報は厳しい内容ばかり。人柄の良いエンジニアだったりすると批判するパワーが鈍る。おそらく皆さん全開の「よいしょ!」だろうから。以下あえて課題を並べさせて頂く。電気自動車の普及は「ほぼトラ」で後ろ倒しになる可能性大。今から見直したって間に合うと思う。

セダンのスーパーカーですね

最大の「う~ん!」がクルマのコンセプトだ。ホンダ・ゼロの方向性は「スポーツセダン」でありながら「コミューター」としての航続距離しか持たせていない。アメリカじゃ使い道無いです。「メカミニマム・マンマキシマム」思想を貫くという。あんなにフラットで低い床じゃ電池搭載量稼げず。上を見て60kWhくらいか? それだと新車の実用航続距離は300kmです。

おそらくホンダの調査で「1日あたりの走行距離は多くて200km」みたいな結果が出ているんだと思う。確かにその通り。ただ充電や充填が必要な電気自動車や燃料電池車を所有した経験から言えば、航続距離は長ければ長いほどストレス無し。加えて10年で30万kmは走る。3元系リチウム電池を使うホンダ・ゼロの場合、24万kmくらいすると航続距離は20%ダウンする可能性大。

アメリカの使い方だと長寿命のリン酸鉄リチウム電池を80kWh(実用航続距離400km)以上積まないと体力的に厳しいと思う。つまりホンダeの失敗を繰り返すことになる。ホンダとしちゃコストダウンのためにも電池搭載量を減らしたいということなんだろうが、同じ価格で電池いっぱい積んだ電気自動車出てきたら、間違いなく全員ソッチを選ぶと断言しておく。

安全性にも強い「う~ん!」を付けておく。アメリカに行くと解るけれど、クルマの”身長”は高くなる傾向。ホンダ・ゼロみたいなボディ形状のクルマが渋滞で追突されたら、前の車両に潜り込む。トラックだったらフロントガラス直撃。ADASだってカメラの位置低いと不利。もっと言えば、アメリカの死亡事故に多い側面衝突はサイドシルの位置が低くて恐ろしい。

ホンダ・ゼロに人が座っている絵を見ると、サイドシルが幅広くて着座位置低い。普通のヒンジドアにしたら乗降性が極端に悪くなりそう。だからこそガルウイングになっているのだろう。その場合、横転した時の脱出に苦労する。テスラ・モデルXのようにガルウイングがリアだけならいいけれど、ホンダ・ゼロって左右2枚のみ。スポーツカーならいいと思いますけど。

居住スペースだって狭い。身長183cmの私だとフロントシートもリアシートも静電気帯びたら髪の毛がルーフにくっつく距離。繰り返すがスポーツカーであれば狭くてもOK。アメリカのように長い時間クルマの中で過ごすような使い方をするなら(皆さん食事から化粧くらいまで普通にやる)、寝返りを打てるようなシートサイズや、疲れたら”のび”が出来る空間が必要。

ホンダ・ゼロのシルエット、空力良いと思っている人もいるようだ。私はエイドリアン・ニューウェイのように「空気の流れが見える」天才にほど遠いが、空気抵抗のベストスタイルは回遊魚だということくらい知っている。平べったくて速い魚なんかいないです。紡錘形で前面投影面積を追求したい。電気自動車、重い電池を床下に積むため重心低い。SUV形状がベストだと思う。

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6 Responses to “ホンダの次世代電気自動車『ゼロ』。いろんな意味で「う~ん!」。少量生産車なら「いいね!」”

  1. アミーゴ5号リボーン より:

    MM思想を、短い航続距離を正当化するために使う時点で、このクルマは終わってます。BEVなら、航続距離を持たせた上での新MM思想でしょう!

    それにAIにデザインさせたのかな?写真で見る限り、出来の悪いカウンタックもどきにしか見えない。

    「ホンダ・ゼロ」って、言うんですか? 「ホンダ・マイナス」とか「ホンダ・虚数」とか「ホンダ・退化」の方が、しっくりします。

    残念無念にも程がある!!!

  2. トヨタ車ユーザー より:

    うーん、これなら電気自動車じゃなくてもいいデザインのような気が…。
    床下に電池を置くのに背が低いというのは居住性に不利ですし、スポーツカーにしてはサスペンションの配置に自由度がなさそう、それも高さが無駄に低いのでそう感じさせます。
    ガルウイングも前後で2枚に分けたほうが、便利だと思います。
    いろいろ破綻してますね。

  3. アミーゴ5号リボーン より:

    あらためて、ユーチューブで見てみました。

    いろいろ新しいことに、チャレンジしていると感じました。

    ただ「ホンダ・ゼロ」と言う割には、原点感や突き詰め感、ハッとする機能美がないんですよね。。。

    「とりま、夢追い社長対策には、これでいーんじゃね?」っていう開発陣の声が聞こえてきちゃったのは、もちろん空耳です、はい。

  4. CVT より:

    追記・e:N SUV序というのも予定にあるようですね。

  5. まぐちん より:

    横からの強風があってこのドア開けたら どこかへ飛んで行きそうだ

  6. 昔のベストカー読者 より:

    このクルマを見てイメージしたのが
    謎の円盤UFOです 昔の英国SFドラマ
    いったい何年前の映像なんだよ
     HONDA ZERO 
    ドラマに登場するクルマ達にイメージよく似てます
    ホンダゼロ実車を見ていないから断言出来ないですけど
    ちっとも新しさを感じない
    それと このクルマ 黒いボディーカラーのせいなのか
    悪人御用達のクルマって感じです
    清潔感とは対極にありますね 
    それにしても ショーカーがこのレベルですか
     昨年 ホンダ株 訳わからなく上昇したんですけど
    10年スパンで保有していたホンダ株 最小単位残して
    すべて売却しましたが 正しい判断だったと思ってます
    100株残した自分は 
    まだホンダに期待しているのかな~ 
    株式分割で 300株に増えちゃいましたけど。

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