欧州の場合、販売台数の半分はカンパニーカー。そこに電気自動車が入ってきており販売台数急増!
そろそろ我が国も「全集中!」しなければならないかもしれません。欧州で電気自動車の本格的な普及が始まりましたね! 何度も書いてきた通り新型コロナ禍など関係無く2021年1月から厳しい企業平均燃費規制CAFEをスタートさせた。自動車メーカーもホンキになってます。最初に猛ダッシュ掛けてきたのがVW。昨年12月の販売台数、テスラ・モデル3をID.3が抜いた!
483万円のリーフe+と同じ62kWhで440万円。
モデル3の2万5千台を余裕で超える2万8千台とな! 1ヶ月分ですよ! 2019年12月から生産ラインの稼働を開始。夏前から徐々に生産台数を増やし始め、9月に発売。3ヶ月目にしてモデルSを超える台数になった(2020年通年では5万7千台)。おそらく2021年は30万台規模の販売台数になるだろう。リーフが10年で50万台という状況を考えると激しいスタートダッシュです。
何でそんなに売れるのか? こらもう簡単。欧州特有の「カンパニーカー」として電気自動車が推奨されているからに他ならない。欧州の企業は通勤定期や社宅のようなイメージでクルマを社員に貸与する。職種によるけれど肩書き無しだとBセグ。係長クラスになればCセグ。課長Dセグといった具合。大雑把に言って販売台数の半分くらいカンパニーカーと言ってよいほど。
航続距離は350km。リーフe+が325km
カンパニーカーの車種選定をするのは基本的にクルマを使う社員ながら、当然ながら会社の許可が無いとダメ。会社としちゃ企業イメージ向上のために電気自動車を使わせようとしているワケです。もちろん地元欧州のブランドを基本とする。今まではBMW i3やルノーZoeくらいしか選択肢が無かったけれど、ここにきてプジョーe208やDS Eテンスなど続々実用的なモデルも出てきた。
リーフは今まで希少な電気自動車と言うことでカンパニーカーとして採用されてきたけれど、欧州勢が出てくることで厳しい戦いになってしまうかもしれません。MX-30EVやホンダeは航続距離短いためカンパニーカーとしてのニーズがほとんど無い。そもそもカンパニーカーということになると日本の自動車メーカーは基本的に不利。勝負出来るの、フルハイブリッド車くらいです。
EV補助金がドイツだと100万円以上出る
アメリカもバイデン政権になって電気自動車に注力すること早くも表明した。「バイアメリカン!」(アメリカ製品を買え)ということから、とりあえず公用車65万台をアメリカ製の電気自動車にするという。アメリカで電気自動車を作っていないメーカーに参入の余地無し! 今後もアメリカ生産ということを電気自動車に付ける補助金の条件にしていく可能性大。
ここまで読んで慧眼の読者諸兄は気付いたと思う。欧州はカンパニーカーで量産効果を出しコストダウン。アメリカもアメリカ製の電気自動車の販売促進を行いコストダウン。中国は市場大きいためコストダウン可能。電気自動車、輸出が難しくなってきた。日本は日本国内で量産効果を出していかないと、海外製の電気自動車に価格で負けてしまう。
実際、e208は50kWhの電池積んで35kWhのホンダeより安価。ID.3などのCセグの電気自動車もMX-30 EVより安い価格設定にしてくる可能性出てきた。550万人居ると言われる自動車関連産業、特に生産分野にとって黒船のような存在になる。なのに国内メディアの論調は依然として電気自動車懐疑論が主流。電気自動車に対する補助金も「そんなの不要!」論者多い。
ここはガソリン車と同じくらいの価格で買えるように補助金を設定し、電気自動車の量産効果を出して黒船の攻めに耐えなければならない。我が国は日本車と輸入車の補助金を分けるような政策など出来ないですから。同時に世界の最先端を進んでいる燃料電池の普及させ、これをキラーコンテンツにしなければならない。もちろん全固体電池の開発だって重要だ。
今だ「エンジン車は残る!」とか言ってるメーカーやメディアを見ると「オーマイガッ!」です。
<おすすめ記事>