自動車業界にとっての円安

結論から書くと日本の自動車メーカーにとっちゃ「ほぼ無し」。とは言え少しだけ問題出てくる。好例が中国や韓国から入れている部品の調達コストアップ。今や軽自動車など安価なクルマだけでなく、けっこうな高額車までコストダウンのため韓国ザックスや、韓国のマンドウ製の輸入ダンパーを使っている。

直近の円安で調達コストは20%以上高くなってしまった。タイ工場から輸入しているマーチやミラージュのようなクルマもコストアップ要因になってくる。ちなみマーチもミラージュもタイバーツの底値の時に日本価格を決めてます。単一車種で考えると、もはや日本で生産した方が安くなっているかもしれません。

ただ上で紹介したことは日本の自動車メーカー全体からすれば微々たるモノ。円安による円建ての利益は膨大である。トヨタだと1円の円安で400億円の円建て利益が増えると言われてます。トヨタは円高時代に85円程度を想定していたようなので、120円になったら1兆4千億円の円建て利益になるということ。

日産やホンダも1円の円安で150億円規模。スバルについちゃ90億円と言われている(これらの数字、本当のところは不明)。ちなみにドルに代表される海外通貨建ての利益は同等、という前提。販売台数も伸び海外通貨建ての利益まで上がったらダブルで円建ての利益は上がり、部品コストの増加など無視出来る。

参考までに書いておくと、最近の円安の理由は日銀が勝手にお金を増やしているからに他ならない。日本を他の国に例えれば理解しやすい。Aという国がどんどんお金を刷ったら、その分だけ価値は下がる。いろんな意味で「黒田バズーカ」と呼ばれる方策はカンフル剤のようなもの。持ち直せないと体力を奪うのみ。

<おすすめ記事>

コメントは受け付けていません。

このページの先頭へ