またも敗戦処理

ラリー終了後はまたしても敗戦処理。そもそもラリー車は自走でバンコクに戻る予定だった。加えて足が取れちゃったままだとコンテナにも積み込めない。途方
に暮れていたら小澤さんと大島さんが「走れるようにしましょう」と持って行ったパーツをゴソゴソ探します。やがて「動くかも」。

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右リア全体が上に動いちゃってます

かくして”野戦病院”での応急処置が始まる。PCDの違いなどで本来なら装着できない涙目インプレッサのリア駆動系を鷹の目に移植。激しく変形したリアのタイヤハウスをドカンドカンとハンマーで叩き、バール使って何とかタイヤが収まるスペースを作る。その間、タイ人はフロントのアーム交換。

2時間ほどでホントに動く状態にしてしまった! ただバンコクまでの自走は無理。そこでバンコクの知り合いに電話し、急遽キャリアカーを頼む。涙目のインプレッサも無事じゃない。明るいところで写真を撮ると。左側はこんな状態。助手席側ばかり3回も大きくヒットしてます。よくリタイアしなかったモンだ。

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左側はタイヤ位置だけヒットしていない

そんなこんなの敗戦処理が全て終わったのは火曜日の夜。何とかコンテナに入る状態とし、日本に持って帰れるようにしてきました。タイで板金だけでもしてこようかと思ったけれど(板金は猛烈に安い)、小澤さん曰く「バーナーであぶっちゃうから競技車両としては使えくなります」。

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ローダーを頼んで運ぶ

それにしても最近ナニをやっても上手くいかない。ムカシ流行った吉田拓郎の曲みたいだ。うなぎ高騰で店は赤字。車上荒らして大金を盗られ、シティバンク銀行に120万円の借金を作らされた。そしてダメ押しにラリー始めてから最大のクラッシュでございます。う〜ん! ヒジョウに厳しい!

人生54年。これほど連続でヘコんだ経験無し。いや、ガンの宣告をされた時の方が本格的に厳しかったか。今回も壊れたのはクルマだけ。何より木原さんにケガが無くて良かった。しばらく人生の反省をしようと思う。ただ反省の日々じゃ物書きとしてナンの面白味もないヤツになっちゃう?

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次のラリーはあるのか?

ここが大いに悩ましい。ナニもしなければナニも失わないけれど、そんなヤツの文章読んでたって面白くも何とも無いです。かといって今の状況だと悪い方向にしか転がらない。こんな時はどうしたらいいのか?
御祓いにゃ行っちゃったし。とホテルの部屋で悩んでいたら喜多見さんから電話。

「飛行機の予約、明日になってますけど」。ホントかね? 29日はCOTYの開票があるので28日の便にしたのに。ちなみにこの文章を書いているのは日本時間28日の昼。安いチケットを買った旅行会社に電話するも、朝からずっと話し中。ネットも閉鎖。もしかして破綻して夜逃げしちゃった?

ということで28日に帰れるかどうか全く解らない。喜多見さんは「29日でもOKですよ〜」と言う。帰国後、キングスカップを持って役場に来るように連絡を受けたそうな。地元新聞の取材も待っているらしい。絶好調だ。美しい雲と泥の差でございます。どなたか私に良いお話を下さいまし。

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6 Responses to “またも敗戦処理”

  1. 仲尾信博 より:

    人生、やり直しはできませんが、見直しはできまっせ!

  2. 33は犬の年 より:

    人生大波小波〜
    失ったものばかりに目を向けていれば
    どんな大金持ちでも暗くなってしまいます。
    ・車上荒らしに会った→犯人逮捕!
    ・ラリーに出られた!
    ・クラッシュしたけどケガしなかった!
    ・喜多見さんの優勝に貢献できた!?
    経験で得られたものの大きさを思えば
    人生感謝感謝です。
    あなたは、同世代の希望の星です!

  3. COLT より:

    いやいや、国沢さんのようなアグレッシブな人の「なにもしない」は、ふさぎ込んでいる人の「なにかする」より数倍面白いと思いますよ。
    なにも足さない、なにも引かない国沢さんに期待しています。(シティバンクには引かれてしまいましたが・・・・・)

  4. トトロ より:

    師匠!お疲れ様でした。
    喜多見さん!おめでとうございます。
    師匠は落ち込んでおられますが、車文化に貢献してきたことが、今回怪我もなく、読者を勇気づける文章となっているのだとは思えませんか?
    車上荒らしのときは、車が身代わりとなって師匠を守り、ラリーでも車が師匠と木原さんを守ったのだと思えてしかたありません。
    今のご時世、車上荒らしの時もご自身が負傷したかもしれませんし、ラリーの写真を見るに怪我一つないことが奇跡に思えます。
    そう考えると、塞翁が馬ではありませんが、さらなる車文化への貢献が自動車からも期待されているのではないでしょうか?
    通勤道具そして家族サービスのための移動手段となっている我が家の車をみると、師匠が以前指摘した所謂「白物家電」となっており、さびしくも遊びが許されない状況が残念なのですが、こんな状況でも、師匠の文章を楽しみにしている読者のひとりがいることも覚えていてください。
    これからも、色々な車文化へのアプローチの啓示とあわせて、不幸な交通事故の撲滅に向けた意見も発信して頂きたく思います。
    師匠の益々のご活躍をご期待申し上げます。

  5. applefanjp より:

    師匠、何をおっしゃいますか!
    いろんなドラマがあります。
    キツイ時、それはチャンスです!
    自分たちは微々たる力ですが、応援します!
    前へ進みましょう!

  6. eichandesuyo より:

    タイラリー、お疲れ様でした。前回は協力しなかったため、蚊帳の外でさみしい思いをしました。
     今回は、すぐに少しですが協力させていただきました。
     ラリーの準備から、レースの様子、結果などが送られてきて、リアルタイムではないですが、一体感を感じながら楽しめました。
     また、何かをするときには、協力したいと思ってます。

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