タイヤ勝負も激しくなってきた

自動車ギョウカイは厳しい逆風にさらされているけれど、タイヤ業界も同じ状況になってきた。今や次世代タイヤに求められる性能と言えば、間違いなく「転がり抵抗の低さとグリップのバランス」である。この分野、ECOカーに注力してきた日本の自動車メーカーと密接な関係を持っている日本製タイヤが強い。

しかし。ここにきて海外の自動車メーカーのニーズも転がり抵抗の低さとなってます。例えばシボレー・ボルト。
標準装着のタイヤを見たら、グッドイヤー製。もちろんアメリカ工場で生産されたタイヤだ。実物を持ってビックリ! 驚くほど軽かったりして。しかもサイドウォールを触ってみたらぐにゃぐにゃ。

t1261.JPG

『アシュランス フューエル マックス』という銘柄

聞くと「サイドウォールを徹底的に薄くして軽量化すると同時に、変形による発熱を減らすためです」。転がり抵抗=熱。発熱しにくい構造にすることが重要なのだという。サイドウォール厚いと、熱を出すそうな。つまりトレッド面のコンパウンドよりタイヤそのものの構造からして変えなければならないワケ。

構造自慢と言えばミシュランである。調べてみると、やっぱし凄い! グリップ性能を基準とするなら、転がり抵抗で10%少ないという。だからこそプリウスの17インチタイヤは15インチタイヤに肉薄する燃費を実現してます。プリウスの開発チームもミシュランをベタボメしていたほど。さすがミシュランです。

スタッドレスタイヤのブラックアイス性能は誉められたモンじゃないけれど、得意分野で高いポテンシャルを持つ。VWトゥアレグやBMW・X6のハイブリッドに代表されるヨーロッパ系のハイブリッド車も、軒並み海外の低転がりタイヤを装着してきた。ボルト用なんかマッド&スノーで低転がりタイヤだったりして。

ここまで読んで「ミシュランやグッドイヤー、コンチネンタルなら今までも評価されていたでしょ」みたいに思うだろう。本題はここから。今や日米欧以上に
ECOカーの開発をしている韓国にもハンコックやクンホといったタイヤメーカーがある。自動車と同じく、急速にタイヤ性能を向上させているらしい。

これまで韓国製タイヤと言えば「韓国車のタイヤを日本製に変えたら凄く良かった」という話も多く評価イマイチ。されど最近はモータースポーツにも出てくるな
ど(ポルシェ乗りの間でサーキット用タイヤにハンコックを選ぶ人が多いそうな)、急角度で上昇中。低転がりタイヤのレベルも驚くほど高くなってきた。

新型エラントラはタイヤの転がり抵抗を徹底的に追求したと言われているが、アメリカ仕様の純正装着タイヤは高く評価されているコンチネンタルと韓国ブランドの2種類らしい。つまりコンチネンタルと同等の転がり性能とグリップレベルを持つワケ。タイヤも頑張らないとアカンかもしれません。

<おすすめ記事>

5 Responses to “タイヤ勝負も激しくなってきた”

  1. かず より:

    猛迫ですね〜。
    ベストカーの205ページの最新人気車雪上テストの210ページにも、アジアンタイヤの項目がアリマスね。
    ところで、
    スタッドレスベースでオールシーズンタイヤがあればいいのになぁ〜って、前から思うのですが。
    夏用と冬用は、かさばるしお金もかかるし…。
    そんなタイヤ誰か開発して下さ〜い
    m(_ _)m

  2. ひろ より:

    クムホって、F-1に参入表明した途端にグループ全体で経営破綻しましたよね。只今再建中らしいですが。韓国企業は、あらゆる分野で(自動車、造船、家電、携帯電話etc…)無茶苦茶してでもシェア&実績を求める風潮があり、利益は後回しと考えてるようですが、そのすぐ後ろには中国がきてるんですよねぇ。日本と違って、韓国が作れるモノって大概中国でも作れますからね。
    まぁ、いつまで続くか見物です。
    あまりにも韓国企業楽観&日本企業不安記事が多いですが、逆の見方もあってしかりだとおもいます。 なんか、北朝鮮の実態も知らずに地上の楽園と喧伝してたのとダブる気が…。

  3. 小林 英弘 より:

    サイドウォールが損傷すればそのタイヤは修復不可能ですから、「サイドウォールがぐにゃぐにゃ」というのは何か不安ですが…。

  4. ゲイン より:

    日本グッドイヤーのGT3といえば、プリウスの低燃費タイヤとして有名ですのでアメリカのグッドイヤーにも低燃費タイヤ造れるんじゃないでしょうか。
    前にトヨタのイベントでモデリスタカスタムのクラウンとマークXを見学したことがあります。ジムカーナってやつだったと思いますが、「タイヤなんですか?」とトヨタのスタッフに尋ねたら。「ジーワイさんの・・・」
    (ジーワイってなんだろう?)GとY・・・ああグッドイヤーのことかな?流石業界人は違うなと感心したことがあります。たしかグッドイヤーのテナントがありましたから結構トヨタ寄りのメーカーだと感じました。
    ミシュランですが確かにプリウスのツーリングモデルにはプライマシーHPが割合少ないながらも採用されてて評判いいですが、トーヨーのプロクセスもいいタイヤです。
    韓国タイヤはちょっと昔使ったことがありますが、日本製には遠く及びませんでした。韓国タイヤの値段の安さやミシュランの持ちの良さには欲しいと感じる時はあります。
    勿論、国沢さんが海外製のタイヤを高く評価したならその評価は信じますし参考にしますけど、基本的に使うタイヤは日本製にしています。ただ平成の脱税王がブリヂストンの大株主って点は残念ですね(笑)

  5. Kazoo より:

    本日愛車のタイヤ交換してまいりました。BS からナンカン製にしましたが、普通に走った限りはまったく違いがわかりません。(ノイズも一緒・・・)BS時の燃費が平均で17〜18でしたが、これが、落ちてくるようだと、ちょっと問題ですかね。金額は1本あたりBSの半額で購入。これから先3年ほど観察してみようかと思うところです。

このページの先頭へ