F1の光と影
ホンダのF1復帰を多くのメディアが良いニュースとして伝えている。こうなると「違う角度から見なければならない」と考えてしまう。「皆と同じ解釈をしない」ということこそメディアだということを亡くなった大森実さんから教えられた。私も大いに良いニュースだと考えているが、もう少し深く今までを思い出してみたい。
F1というのは「魔力」みたいなパワーを持っている。ホンダという企業の中で市販車を開発しているときは、時間や予算や人の制約を抱えてます。しかしF1となった途端、全てのリミッターが解除になる。湯水のようにお金は使え、レース毎に明確な結果となって答えも出る。技術者にとっちゃ夢の国のようだ。
そして自分が凄い存在になったように感じることだろう。結果、普通の生活に戻れなくなる。第一期でも第二期でもホンダは有能なエンジニアを失った。夢のような数年間と引き替えに、将来を無くした人も居る。もちろん個人の資質だと言われればその通り。でも仙人じゃない限りF1のワナにハマってしまう。
ホンダの課題は「大切な技術者を絶対失わない!」という覚悟だと考えます。同時に「そんなことじゃF1で勝てるワケない!」という意見も出るだろう。その通りかと。実際、第三期のF1は腰が引けていた面もある。だから結果を出せなかった? 新しいマネージメントが必要になってくると私は考えます。
ということからすれば、経営者からすれば面白いチャレンジになるかもしれない。一人の人生もコースアウトをさせず、素晴らしい結果を残せたらホンダにとって大きな財産になることだろう。
<おすすめ記事>
今のF1って年間19戦レースが行われていて増えた3戦は東南アジアから中東方面の国々にシフトされてます。ホンダとしては早く開拓したい市場なわけでブランドイメージ定着のためのF1参戦ですが、さすがに今回はエンジン供給メーカーとしての参戦というコトでこれは良い選択だと思います。東南アジアや中東方面のクルマを買えるユーザー層はクルマ好きでありレース好きでもあり、だからこその決断とも推測できます。
今のホンダのメインマーケットは日本と北米が中心でそれ以外はジリ貧ともいえる状況なのでマーケットの拡大は何としても急がなければならない。そのためには売りになる革新的な新技術も必要、となればF1を活用しない手はない(かつてVTECを開発したように)。
といった実績を持つホンダならではの発想か…?とはいえ何の計画性も持たずに参戦するとも思えないのでどんな技術に発展するか楽しみにしたい。
一瞬凍りつきました。まさに自分がそうでした。
F1の頃、エンジン関係ではないのですが参加していました。毎日が研究や調達で、湯水のようにお金を使えてホテルも一流があてがわれて、パーティー。その中でレーサーが普通に歩いている状態でした。まさに毎日がディズニーランドです。
日本に帰ってきてギャップに気が抜けてしまい自分も会社を辞めました。何でなのか今でも分かりません。同じ頃バブルもはじけました。
私の場合は日本を離れまったく違う職でやりたい事を見つけ現在まで居ます。今日まで大昔の事と今日まで綺麗に忘れていましたが、この記事を読んだ瞬間、あの頃が綺麗によみがえりました。
国光さん、少しでも思い出させてくれてありがとうございます。
でも、本当に人生間違ってしまったのも何人か知っています。
それだけ強烈な世界でした。
まさに国沢先生の予想通り2015年からの参戦でしたね!
マクラーレン・ホンダの復活は嬉しい限りです!
ジョイントプロジェクトを発足させたホンダとマクラーレンはホンダがエンジンとエネルギー回生システムを開発、製造、供給する一方でマクラーレンは車体の開発と製造に加えてチームの運営を担当。2015年からの活動名はマクラーレン・ホンダとなるそうなので、
まさにそれぞれの得意分野を活かしての組み合わせだと思います。
餅は餅屋という感じで最高の参戦体制だと思います。
>結果、普通の生活に戻れなくなる。第一期でも第二期でもホンダは有能なエンジニアを失った。
確かに忘れがちな視点で眼から鱗でした。
そうですよね、せっかく育てた人材、技術をあらゆる製品に昇華させ、ホンダのイメージアップにも貢献して、
F1活動がホンダにとって費用に見合う活動だというコトを実践して定着させて欲しいな、と思います。
ホンダにとってのF1と同じように、
ブランド力アップという目的も含めて、WRCはスバル、三菱(今はMIEVに集中か?)にとって必須の活動だと思うので復帰してくれると嬉しいのですが・・・
とにもかくにもホンダF1復帰は嬉しいです!
確かシティターボのエンジンは、2期F1監督の桜井さんが関わっていたと記憶しています。
ホンダ撤退と共にホンダを辞めてしまい、大変残念な思いをしました。
そのリスクを承知で、若手のハングリー精神を鍛える技術道場として、参加するのだと思います。社長が、市販車へのフィールドバックを強調していたのは、「帰ってこいよ!」というメッセージなのかもしれませんね。