鴻海、日産に対する開発&生産委託リクエストか? 話がすすめば日産のリストラは回避出来る
抜本的な改革を行わない限り日産の財務状況は確実に悪化していく。どんな手を打ってくるのか? そんななか、「台湾の鴻海は近日中に日本の自動車メーカーと電気自動車の開発&生産に関する業務委託契約を結ぶ」という情報が流れている。出所は鴻海のオンライン説明会だ。鴻海の劉揚偉会長曰く「2カ月以内に日本の電気自動車関連の企業と開発と生産の契約を締結する見込みです」。
日本の自動車メーカーで鴻海向け電気自動車の開発と生産を引き受けられるのは日産くらいしか考えられない。しかも会長の発言である。おそらく動いているんだと思う。果たしてどうか? 様々なパズルを組み合わせてみると、鴻海の戦略が何となく見えてくる。まず当初考えていた「日産の買収」は断念したようだ。アメリカ政府がUSスチールの買収を認めないのと同じ構図。
そこで「投資」に切り換えた。日産の株式をある程度購入するというもの。3分の1を超えると「議決権」(重要事故の決議を否定できる)が生じるため、33%以下になるだろう。ルノーが第3者機関に供託している日産の株数は18.7%。ルノー保有の日産株式15%と合わせれば、33%を無理なく入手可能。この時点で鴻海は日産が運転資金を借り入れる時の保証人になってくれるだろう。
さらに電気自動車の開発と生産委託を受けることで厳しいリストラを回避できる。日産の財政基盤を整えようとすれば、すでに発表している9千人のリストラじゃ全く追いつかない。3万人とも4万人とも言われる人員削減が必要。社員を3分の2くらいにしなければならないということ。工場の生産能力だって20%程度削減する必要がある。しかし日産は「やらない」と言っている。<続きを読む>
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