日産、DeNAと組み失敗覚悟の実証実験を始める

日産が「Easy Ride」(イージーライド)という実証実験をDeNAと横浜で始めた。すでに様々なメディアで取り上げている。皆さん超素直で鵜呑み大好きだからして、日産とDeNAのプレス発表をそのまんま上手に伝えています。私は口に入れたモノを飲み込まず、たっぷり味見して楽しむため、他と違う切り口になっちゃう。よって自分のWebだけに書く。

バンパー形状が違いますね

そもそも論として、現在自動運転は着地点が全く見えていない。技術こそ進み(この点はあとで紹介するが今回は見事な完全自動運転でした)自動運転の実現性についちゃ出てきたけれど、ビジネスモデルとして成り立たないのである。タクシーより若干コスト的に安くなる可能性あるものの、ウーバーのようなライドシェアより安くなるかとなれば難しい。

トヨタは人間の移動より流通の方が可能性持っていると判断し『eパレット』を打ち出してきた。日産は人の移動で実用化しようと考えているらしい。それが今回発表した『イージーライド』である。どんな内容か? 以下、システムが完成した場合のモデルです。1)まずスマホなどの端末を使い、自動運転車を予約する。2)ピックアップする場所と時間を指定(写真がそれ)。

3)同時に目的地のリクエストを入れる。今回は「ハンバーガーが食べたい」。こらもうスマホ使った検索と全く同じ。いくつかの候補が出るため選ぶと、そこまでの経路&時間が提示されるので決定。4)すると予約した場所に時間通り自動運転車はやってくる。乗ると目的地に連れて行ってくれ、支払いはその時点で終了する、というもの。

ビジネスモデルとして考えれば「成功しないでしょうね」。予約入れるまではウーバーなどライドシェアと全く同じ。検索もイージーライドだけの情報を信じなければならない。イージーライドはこの二つを同時に出来ると言うだけで、利用者の支払いコストについちゃウーバーの方が安く付くし、ウーバーの運転手の方が検索に出ない情報持ってる。

そもそも私なら目的地も決まっていないのに最も高価な移動手段であるクルマを呼ぶことなどしない。100歩譲って少なからぬ移動コスト掛け、連れて行かされた先が満足度低ければ二度と使わないです。逆に満足度高いような目的地は、普通の検索サイトの方が的確に見つけられるかと。なのに多くのメディアは「スゴイ!」と伝えているから腹抱えて笑う。

では全く意味が無いかとなれば、そう思わない。自動運転の実現は限定的な内容ですら超短く見て5年かかる。それまでに考えれば良い。空振り確実であっても振らなければ当たらない、ということです。自動車産業は「ハズレ」が怖いため、なかなか動かないという特性を持つ。DeNAみたいなIT企業は動きが早く、ハズれることを怖がらない。ドンドンやればよい。

日産は自動車メーカーの中ではIT業界に近い。人事異動で人が変われば、前任者の流れを断ち切れる。今回のトライも、失敗上等だと思う。トヨタのような企業体制だと、失敗を嫌う。というか始めたら絶対に諦めない。だからこそ確実性のある物流を選んだ。新しい分野だけにドチラが勝つのか読めないです。個人的には日産も、少し粘った方が成功すると思いますが。

今回ハンドルに1回も手を触れず

閑話休題。今回驚いたことが二つ。一つは自動運転技術だ。いろいろ課題あるものの今回のデモは短くて限られた区間ながら、文字通り完全自動運転で歩道を横切り車線に出たり、信号を右左折したりした。近い将来「みなとみらい」内に限り、自動運転を走らせる交通インフラを構築出来るようになるかもしれないな、と思った。日産の自動運転技術は世界一だ。

もう一つは先代リーフが少しのモディファイでカッコ良くなってること。現行リーフ、カッコ良くなった変わりに普通のクルマになり面白味無し。先代リーフのフロントを少し変えただけで、こんなシルエットになる。電気自動車らしくてカッコ良いです。オリジナルのデザイン、良さもあったんだと再認識しました。やっぱりフロントの給電口がアカンかったですね。

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