シロクマ怒る!

自分の家に電気自動車の充電用200Vを導入しようとしたら、東京電力、グダグダでございました。そもそも深夜電力は電気自動車の充電に使えない、というのだ。今まで電気自動車推進派が「深夜電力を使えば1kmあたり1円!」と言ってきたのは何だったんだろう? 私も書いてきました。しくしく。

夜間の電力が安くなるプランはあるものの、そいつを使うと昼間の電気料金は大幅に上がってしまい、試算したらむしろ高くなる。結局今のままの契約で、最も高い「3段料金」の電力を電気自動車用に使うしかチョイス無し。となればディーラーなどで昼の電力使って充電する人も多くなることだろう。

おそらく事情通の皆さんは私の書いたモノを読んで「何も知らないオタンコめ!」と思われてきたことかと。申し訳ないと気持ちと同じく、ウソを書いてきたことが恥ずかしいです。このあたりの事情はベストカー次号の「達人コラム」で紹介するけれど、結論から書けば深夜電力の3倍高い電気を買うしかない。

同時にプラグインハイブリッド神話も崩壊する。深夜電力使ってペイするような価格設定を考えているようだけれど、一番高い料金じゃお話にならぬ。プリウスとの価格差を埋めるほどのランニングコストの差にならん、ということ。もはやこうなればトヨタと日産で電力会社をブン殴らないとアカンです。

そもそも使い道のない夜間余剰電力(原発は出力の上下が出来ないため深夜もフル稼働。電気はムダになる)を使えばECOでしょ、というのが電気自動車の大前提になっている。日記で紹介したシロクマも火力発電の電力で動いている電気自動車なら愛のある「ハグ」じゃなく「ばく!」と食い付くだろう。

追記/読者の方から情報頂きました。『東京電力埼玉支店』のWebに「深夜電力利用で1km=1円」という記述があるとのこと。早速チェックしたら、確かに明記してある。大ウソつきでしょ! 私は100%出来ないと言われましたから。それにしても見事にダマされてきたもんだ。

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11 Responses to “シロクマ怒る!”

  1. ネジアマール より:

    深夜電力の件ですが、
    TEPCO埼玉支店のHPに『※深夜電力利用で1km=約1円』の記述が有ったり、
    http://www.tepco.co.jp/saitama/eco/tepco_column/index-j.html
    関西電力関連のHPにも、
    『料金が割安になる深夜電力※を利用して充電すれば、電気代を節約することができます』
    http://www.kepco.co.jp/e-patio/category/living/1259720037/
    とあったり、関係者もよく解っていないのではないでしょうか。
    あんまりゴネたりキツい言い方をするのは好きではありませんが、
    上記サイトを見てクルマを予約した人は詐欺にあったようなものじゃあ無いんですかねえ。

  2. maltar より:

    一般名詞としての「深夜電力」と、東京電力の電気料金メニュー名称である「深夜電力」を分けて考えないと混乱しますね。
    拙宅の場合は既にオール電化であるため、東京電力で言うところの「おトクなナイト10」契約をしているのですが、深夜電力料金で充電は可能との回答を電力会社から得ています。
    結局「深夜電力利用で1km=1円」はウソでは無いにせよ、電気自動車だけのために深夜電力を契約できない点に言及していないのは、ちょっと言葉足らずですよね。
    まだまだ啓蒙が足らないのだと思います。

  3. tokyo より:

    変換効率しだいですが深夜電力で充電したバッテリーで昼間の電気賄うしかないですが、みんながそうしたら深夜の方が電気代が高くなるのは目に見えてる。もともと火力で発電した電気で動くEVの総合効率がどれほどみじめなのか数値化しないといけません(。・w・。 )

  4. ぱんだねこ より:

    ちょっと紛らわしいですが、深夜電力を使える契約にすると、昼間の電気代が上がるという話は聞いていました。よって、家庭用と自動車用であわせて、どんな料金になるか分からないため、家族への説明もできずEVはあきらめておりました。
    トヨタがEVに消極的だったり、リーフがいつの間にか100V充電ができるようになっていたりというのは、このことを考慮して他のかなと勘ぐってしまいます。
    逆に補助金をもらわないと割に合わない車の落とし穴と言うことなのでしょうか?

  5. E90 より:

     こんばんは!高校生であります!
     これ、先日テレビでもクルマについて無知の経済ジャーナリストが「電気自動車は深夜料金…」とぬかしていました。
     国沢さんが嘘を言ったと言うより、コレ、電力会社の告知不足だと思います。これから、電気自動車が普及しようとしているのに、マズイことですね。
     ツイッターでこのこと呟いたら、回答がありました。
     メーター別管理の深夜料金契約は、元々電気温水器専用だとか。この為、電気自動車の充電は不可。
     …一方時間別契約はご指摘の通り、昼間割高になり、夜は割安になります。特に使用機器は指定されない為、夜の充電は安くなるらしいです!昼間の割高は、エコキュートを導入することにより、トータルの電気代を下げる仕組みになってるそうです。
     これは聞いた話しなので、電気自動車を購入検討中の方は、ご自身で電気料金を確認することをオススメします!

  6. ヨシ より:

    http://www.tepco.co.jp/e-rates/individual/menu/home/home04-j.html
    もっと電気自動車の普及が進めば↑に
    「深夜電力C:電気自動車の充電にお使い頂けます。」
    というコースが追加されるんじゃないでしょうか。
    はたらきかけ次第かもしれませんね。

  7. 阪神ファン より:

    普通に聞いて人が誤解するような書き方はまずいですよね。詐欺にあったような気分になりますね。
    電気自動車が普及すると、ガソリン税に変わる充電税なるものが登場しそうな気がしてしまいます。

  8. COLT より:

    ひょっとしてこの件でゴーンさんは窮地に立たされるかも?
    そうなる前にゴーンさんはまず国交省や関連各省にこの件を告発して霞ヶ関に電気事業連合会を呼び付けるぐらいのことをしないといけませんね。
    大手マスコミにもこの件はプリウスのブレーキ問題と同じぐらいに騒ぎ立てて欲しいです。

  9. G35X より:

    先ず第一にオフピーク時には莫大な量の電力が余っていることを認識しなければならないです。最大電力供給量は真夏の午後日本中がエアコンを最大にして、大型テレビで高校野球決勝戦を見ているような時でさえ瞬時でも供給不足とならないよう準備されている。一方、皆が寝静まっている時の需要は昼間のピーク時のそれに比べ半分にもなる。東電の最大供給量を70ギガワットとすると、そのうち60%くらいは発電し続けなければならない原発やコンバインドサイクル発電所から出ていると考えられる。残りの40%の内10%は水力なので発電を休止しさらに揚水で電力を消費することもできる。あれやこれやで控えめに見て10%の電力がその行き先を求めるとすると、実に7ギガワットの余剰電力となる。EV一台が深夜2キロワットを充電に消費するとして(8時間で16キロワット時)、350万台のEVを同時に面倒を見ることができる(現在の施設で)。この余剰電力が売り上げになるのだから電力会社はEVを歓迎すべきだ。真夏の最大需要期を除き、電力会社は電力をより多く売りたい。そのためオール電化を勧めている。一方で節電、節電と言い、いかにも電力が不足しているように宣伝しているが、その裏には新しい原発を建設したい下心が見える。
    実際2005年から2008年まで電力需要は増えていないにもかかわらず、その後はさらに需要が増えるような予測をし、そのほとんどを原発で賄うような計画をしている。真夏のピーク需要を抑え新規発電所建設をしないためには、深夜余剰電力を電池に溜め、ピーク時に放出すれば良い、NGKのNS電池がその目的にもっと使われるべきで、また一般家庭では15キロワット時ほどの電池を深夜充電しておき日中は送電線のスイッチを切り、電池から電力供給すればよい。 家庭用電池にはEVに使ってお役目ご苦労となったものを安く売れば一石二鳥。 また、究極には都市ガスを各家庭で改質し燃料電池で発電したほうが電力網の送電損失もなく、停ガスなど滅多にないので安心。 これに太陽電池パネルとバッテリーを組み合わせれば万全となる。

  10. チチウエ より:

    もともとエネルギー問題、環境問題のためにEVをと言うのであれば、
    充電料金は関係ないはずですよね。
    実際そのあたりを考えるのであれば、その電気はどうやって作られたか、そこまで考える必要があります。
    自動車の世界ではwell to wheel(石油採掘時からタイヤで消費するまでの総合的な効率)で考える必要があります。
    原子力発電所は電気の製造時には二酸化炭素を出しませんが、
    冷却時に海水を温めます。海水温が上がるとそれだけで温暖化が進みますし、海水に溶けている二酸化炭素が大気に放出されるようにもなります。(⇒結局温暖化に繋がります)
    また、建設、維持、解体には莫大なエネルギーがかかります。
    原子力発電所は全く持ってエコではないのですが、そのあたりは覆いかぶされています。
    スマートなのはやはり太陽電池でしょうか。
    太陽の光は屋根に降り注いでいるだけで、
    それを利用することには環境に影響を与えないですから。
    太陽電池の製造エネルギーをもっと下げることができれば環境にとっては一番喜ばしいことであり、
    自宅での充電もいつでも可能です。
    昼間に充電して夜間はバッテリーから使用、足りない分だけ電力会社から買う。
    バッテリーは高いリチウムより、嵩張るけど安いNaS電池が望ましいでしょうかね。

  11. つっちゃ より:

    国沢さん踊らされました!
    当家ではオール電化でエコキュートとIHクッキングヒータを導入済み
    モチロン日中は割高な料金で深夜割引って料金プランですが
    別に日中使わなきゃいいんだし
    日中、IHクッキングヒーターやエアコンを使っても差して電気料金が突出することなんて無いですけどね
    ちょっとは気を使いますよ。そりゃ。
    食器洗浄機は23時以降にしか稼動させませんし
    電気ポットに給水して沸騰させるのも23時以降です
    中部電力に「深夜電力で電気自動車の充電は出来ないのか_?」って聞いちゃいましたよ!
    どんなものにもトレードオフはあるんですよ
    つか常識でしょ!

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