自動車業界、女性の管理職は極めて少ない

私は女性の社会進出に「大」を付けるほど賛成である。そもそも小学校から大学に至るまで、私より明晰な女性などシコタマいました。自分の娘はキャリア志向で、子供を2人産んで会社に戻っている。急な仕事などの際は私も保育園まで迎えに行く(喜んでくれるので楽しい)。

しかし自動車業界の女性の数は驚くほど少ない。特に部長級以上になれば数えるほど。なぜか? ツラツラと考えてみたい。まず私らのギョウカイに於ける初めての「女性部長」はスバルの広報だった。今ほど女性進出の話が出ていなかった20年近く前のことである。

皆さん「どんなものか?」と様子を見ていたら、仕事が出来た。折しも力作である4代目レガシィの評価高く、COTYの候補になる。この方は社内に敵を作らないタイプだったのだろう。役員などを引っ張り出し&細かい気遣いもありスバルにとって初めてのCOTYを獲得。

4代目レガシィのメディアへの露出や、ブランドイメージ作りも積極に行い今のスバル地盤を作ってしまう。何より「一生懸命クルマ作りをしてきた開発チームのために頑張りたい」という姿勢が素晴らしかったと思う。なるほど女性のパワーって凄い、と考えた次第。

その後、目立った部門の女性起用は無かった。けれどここにきて日産とホンダが女性を国内販売担当役員に抜擢。さらにホンダは広報部長も女性を起用。20年前と同じく「どんなものか?」という状況になってます。私の印象はいかに? 今のところ「う~ん」です。

まず日産。肝心の日産社員から良いウワサを全く聞かない。着任当初は様々なことをやろうとしていたようだけれど、今や動き無し。「クルマのことが解っていない」という声が多い。ゴーンさんにインタビューした時も「リーフの販売は星野に言って欲しい」だったけれど、音沙汰無し。

加えて自動車メディアと全く会おうとしないのだった。「自動車メディアなどクルマの売れ行きに関係ない」と考えているならそれもいいと思う。自由です。そのかわり、どんな評価を受けても「影響なんかない」と流すべきだ。あまり上手くいってないように感じます。

ホンダは国内販売担当役員の女性についていえば社内から高く評価されている。海千山千のディーラー社長も「あの人は出来る!」と言っているそうな。何よりホンダ社員の評価が高い。国内で販売する車種の選択をもう少し上手にやれば、良い方向に向かいそう。

広報部長は今のところギョウカイじゃ極めて評価が低い。先日も城市兄から「就任してから挨拶にも来ないよ」。調べてみたら「今までとやり方を変えたい」と言ってるそうな。「メディアと個別に付き合うのは古い」と考えているようなのだ。でもそれは「ナニもやらない」のと同じ。

実際、ホンダは今までやってきたことを止め、新しいことを始めていないため、ナニもやらない広報になってしまった。COTYすら「良いクルマならナニもしないで貰える」というスタンスらしい。そこには一生懸命クルマ作りをしてきた開発チームの気持ちなど関係なし。

確かに開発チームが新型車を作るのは仕事だ。良いクルマならCOTYを取れるのも正しい。それだけで世の中が回ると考えているなら素晴らしい。文頭に戻る。女性進出は大歓迎である。けれど、オトコにだって職種についての向き不向きががあります。

私は素直にかつてない完成度を持つN-BOXを今年のCOTYに推そうと考えている。けれど残念ながら反感を持つヒトもも多いと聞く。N-BOXが本賞を取れなかったら、素晴らしいクルマ作りをした開発チームを気の毒に思います。逆に「今までのやり方を変えたい」なら、やるのは今です。

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