ボルボ、85km/hでの衝突ダメージが解る試験動画を公開
クルマの事故で最も気になるのは、安全基準を超えた速度域の衝突です。御存知の通り構造物って荷重に比例して潰れていく状況だけでなく、一定の荷重になると「座屈」が起きてしまうケースもある。定規を潰していくと徐々に曲がって行くが、ある程度曲がると急に抵抗なくなって折れてしまう。そんな現象です。クルマの場合、速度域上がって座屈すると恐ろしい。
https://youtu.be/kM_6EY7T5To
けれど衝突試験は基本的に基準値までしか行わない。フルラップなら試験速度55km/h。試験時のバラ付きを考えてもせいぜい60km/h+αしか想定していないと思う。55km/hが無事でも70km/hでグッチャリということだって十分考えられる。この点、自動車メーカーによく聞くのだけれど、明確な返答を貰ったことない。そんな状況の中、ボルボが85km/h弱でクルマをブツけた。
正確に書くと30mの高さからの自由落下です。重力加速度は9,81m/S2。30mだと87km/hまで加速する。空気抵抗を勘案して85km/h弱と考えました。試験の目的はレスキューの訓練ということなのだけれど、当然の如く損傷度合いもチェックしていると思う。動画を見て頂ければ解る通り、85km/h程度で衝突してもキャビンスペース残っており座屈していないように見える。
もっと興味深いのは、真後ろ(追突)や真横からも落としていること。同じ場所に2回同じ衝撃を与えたり側面をコンクリートブロックの上に落としている試験もやっていた。最新のクルマをオーバースピードで様々な方向からブツけている実車動画って貴重。面白くて何度も見ましたね! 安全性に感心のある方や自動車業界の方はぜひともこの動画を御覧下さい。
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