アウトランダーPHEV、海外で水没による火災を起こしていました! 詳報を!
日本製のハイブリッド車や電気自動車は1回も燃えていない、と先日来書いてきた。すると読者の方から「アウトランダーPHEVが燃えた事故はどうか?」と掲示板で質問された次第。リンクされているカナダのニュースを見たら間違いなくアウトランダーPHEVの電池が燃えている! 起きてはならない--絶対起きないように開発されたハズの自動車用リチウム電池が熱暴走してます!
写真/OTBニュース
状況は下のニュースを見て頂ければ解るけれど、けん引してきたボートを港のスロープから降ろそうとして失敗。そのまんまクルマも水没してしまった。この手の事故、珍しくないです。2時間ほどして海から引っ張り上げたら、突如自然に燃え始めたという。スマホのリチウムイオン電池や、何度か発生しているテスラの火事のような火の出方だ。完全にアウトのヤツです。
すぐ三菱自動車に問い合わせたら「こういった火災は起きないような構造になってます。その上で、マニュアルに火災の可能性も明記してある」という。そんなのどこのメーカーだって同じ。飛行機は「絶対落ちない」と言えないが、でも落ちないように作られているから安心して利用出来る。ハイブリッド車や電気自動車も水没しても燃えないように作られている。
今までたくさんのハイブリッド車が水没しているがそういった火災は起きていない。そこでクルマの調査はしたのかと聞いてみた。するとしていないという。なぜか? カナダではブレーキ掛けていたのに水没したことが問題になっており燃えたのは現地でスルーだったようだ。アメリカでは水没したアメリカ製の電気自動車が燃える事故多く、あたりまえだと思われている。
さらにしつこく三菱自動車に聞いたら、やっと問題意識を持ってくれたらしく、広範な資料を再チェックしたという。すると「水深6mまで沈んだようです」。この時点で全て理解しました。水没試験の基準、せいぜい2mの水槽で行われる。防水構造にも様々なランクがあることを皆さん御存知だと思う。自動車の安全基準、6mの水深は想定していない。
結果、メーカーによって防水性能に違いはあるのだろう。リーフの構造を見ると、6mくらいじゃ浸水しないと思われる。アウトランダーPHEVも2~3mなら問題無いんだと思う。逆に20mまで沈んだら、電池ケースの中までイッキに浸水するため、これまた熱暴走しない。6mで2時間くらい沈んでいるウチ、中途半端な浸水量になったということだと推察します。
思わぬ事態の発生はノウハウとなり進歩をもたらす。この事案を分析することにより、どのくらいの水深まで耐えればいいかという基準を再考したらいいと思う。逆に、バッテリーケースの中に浸水したら、イッキに全没するような構造にしたっていいだろう。ちなみに今回のような事故でも、外部に高電圧が漏れる可能性はゼロ。感電の危険性はありませんので御安心を。
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