一般メディア、電動化車両と電気自動車の区別が全く付いていない?

最近一般メディアがクルマの環境対策を取り上げるようになった。私もちょくちょく話を聞かれるのだけれど、皆さん電動化と電気自動車とハイブリッドとPHVとガソリン車の定義がよく解っていないように思う。はたまたスガ政権は2030年前後にすべて電動化車両にすることを決めたように報じられているけれど、これまた違う。すでに決まっていたことなのだった。

今年の4月1日、2030年にWLTCモードのCAFE(企業平均燃費)で25,4km/Lにする法規が成立している。ちなみに2020年CAFEの場合、JC08で20,3km/L。この数字をクリアするのに苦労している状況だ。2030年CAFEをクリアしようとしたら、大ざっぱに言って45%程度改善しなくちゃならない。もはや普通のガソリンエンジンじゃ不可能な数値目標です。

したがって今年4月1日に、純粋なガソリン車は2030年時点で出せなくなる方向となったワケ。じゃスガ政権はナニをやりたいのか? もし昨日来NHKや毎日新聞が報じている「2030年代半ばに全て電動化車両へ」だというなら、すでに決まっていたことです。一歩も前に出ていないことになる。一方、2050年に地球温暖化ガスの排出量をゼロにする、とも言ってます。

これを守ろうとすれば、ハイブリッドやPHVもガソリン車に含まれる。ハイブリッド、電動化車両ではあるけれどエネルギー源は100%ガソリン。PHVも電力を供給しない状態だとガソリン車だ。二酸化炭素排出量ゼロを目標にした場合、ダメなヤツに属す。よって2050年に二酸化炭素排出量ゼロを目指すには、2030年代中盤にハイブリッドやPHVもゼロにしないとダメ。

クルマの寿命は15年程度。2050年に全て登録抹消を目指すなら2035年には新車で買えない状況にしておかなければならないからだ。常識的に考えたら電気自動車と言うことになる。すでに電気自動車は身近になってきた。日産が「リーフを買えば124万5千円の補助金を受けられる」というアピールを始めた。441万円のe+で317万円ということ。

電気料金はガソリンより安価なためハイブリッド車と比べても走行10万kmあたり50万円。普通のガソリン車と比べたら100万円安くなる。筑波サーキットを1分10秒台で走れるクルマということで考えたら、実質的に217万円。来年から電気自動車の補助金が80万円になるというし、新車価格の値下げも始まる。10年もすれば電気自動車がスタンダードになると思う。

参考までに書いておくと、2050年以降もガソリンは買えると思う。ただそいつを燃やした時に出る二酸化炭素を回収するための費用が上乗せされた価格になる。はたまたミドリムシから作ったガソリンか? 現時点でどのくらいのコストになるか不明ながら、安くないことは間違いなし。ヒストリックカーが動かせないという事態についちゃ「ならない」と予想しておきます。

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