中国は日本を必要としない?

中国の重慶という工業地域から西安、ウルムチ、ロシア、ポーランドを通り、ドイツの工業地域であるデュッセルドルフを行き来する『チャイナランドブリッジ』という国際貨物列車の存在感が増している。このルートを辿れば、大量の物資を最もエネルギーコストの低い鉄道により2週間程度で運べるのだった。正しく現代版のシルクロードです。

これにより、ドイツからの部品調達が容易になった。貨物列車で工場のヤードまでダイレクトに運べるというから効率良い。今まで技術力が必要な部品は日本からフネと鉄道、トラックなどを使い入手するしかなかったけれど、ドイツで調達出来るようになったワケです。そんなこんなで、ここにきて中国は欧州との取引を増加させている。

アメリカとのビジネスも急増中。GMにとっちゃ宝の山だ。中国が欲しい「技術」だって入ってくる。これまた日本抜きで全く問題なし。そんなことから中国にとって日本は「付き合う必要の無い国」となりつつある。近代化を進めたかった中国が、1972年に日中共同を声明を出し日本から技術を導入しようとした時代とバックボーンからして違う。

そして日本との距離を置こうとする習近平国家主席の動きを見ていると、就任から2期10年間が過ぎる2022年まで現在の状況は変化しないと考えるべきだ。つまり一段と日中の距離は開く可能性を考えないとならない。今や中国は日本抜きでやっていける体制を整えてしまった。中国にとって日本は過去に酷い目に遭わされた鬱陶しい存在です。

日本は表面上、嫌中という流れになってきているが、依然として有望な市場だと考えている企業も少なくない。いや、引くに引けない状態になっているというべきか? 繰り返す。今や中国には日本に頼らなくちゃならない状況に無い。ドイツとアメリカから十分な物資や技術が入ってくる。中国で日本の企業が利益を上げることに嫌悪感を持つようになろう。

こう書くと「付き合いのある中国人は義理堅い」と思うかもしれません。考えて欲しい。習近平国家主席も現在のナンバー2もナンバー3も、全て日本との太いパイプを持っているだけでなく相当の知日派。現在は全てシャットアウトしてしまっている。本当の意味での個人的な付き合いしかしていない。いつ御破算を申し出られてもいいよう覚悟すべき。

中国との関係やビジネスを考える場合、10年前と現在は中国を取り巻く情勢が全く違うことと、今の政治が2022年まで続くと言うことをアタマの中に入れておくと良いと考えます。韓国は大統領が代われば全く違う関係になると思う。

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