日米貿易協定決着。自動車に対する追加関税は「経過観察」ということになりました

未明に決着した日米貿易協定について日本のメディアは「自動車に対する追加関税は発動しない」と伝えている。参考までに書いておくと、現在日本からアメリカにクルマを輸出すると2,5%の関税が掛かります。追加関税は貿易赤字国に対して25%にするというもの。やられたら価格競争力無くなり、実質的な禁輸措置と言って良かろう。中国などこれでアメリカへの輸出が壊滅的に。

トランプさんの気分で決まるだけに恐ろしい。したがってこの点でアメリカ側からプッシュされると、いかんともしがたいワケ。客観的に見たらアメリカの言い分はよ~く解る。だって商売です。「ウチは赤字なんだからもう少しなんか買って欲しい」と頼まれたら、なんとかすべきでしょう。原則的に貿易の自由化は大切ながら、大きな赤字出す側からすれば理想論になってしまう。

今回の決定、アメリカの専門家に聞いてみたら「追加関税を発動しない」ということは正式な決定じゃないという。今までと全く同じで、とりあえず「日本がアメリカの言うことを聞いている間は発動しない」という口約束をしただけ。ちなみに日本側が日本の記者団に対する会見で「発動しない」説明することについて、アメリカ側も了承済みだという。当面無しくらいのイメージか。

これで安泰、ということにはならないと思う。貿易問題は収支トントンが原則。この間、日本企業は輸出を減らしアメリカ生産を増やすべきだし、アメリカ製品を購入する努力をしなければならない。日本からの輸入額が増え、日本への輸出が増えなければ、またぞろトランプさんは「悪い子いねか~!」と脅す”なまはげ”に変身します。関係者の努力に期待したいと思う。

一番好ましく無いのはイージスアショアみたいにロシアなど近隣国から怒りを買う割に、何の実効性も無い武器を買わされるようなこと。「農産物それとも武器?」という2択を迫られてのことなんだろうが、お金をドブに捨てているようなもの。シェールガスを購入し石油や石炭使う火力発電所を廃止するとか、アメリカの企業に地熱発電所を発注するとかの方がいいんじゃないでしょうか?

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