GM破綻へまた一歩

昨日GMが提出した再建計画を見て、アメリカのメディア&マーケットは相当なショックを受けているようだ。なんとこれまでの援助要請金額(134億
ドル/約1兆2千億円)の倍以上の300億ドル/2兆7千億円に達していたからである。134億ドルの時でさえ公聴会で大論争になったほど。GMは米政府を打ち出の小槌だと思っているのだろうか?

1月に入っても一向に在庫整理進まず、一段と厳しい状況になったためなのだけれど、こらもうGMに限らず世界中の自動車メーカーが苦しんでいること。しかもGMは「もしチャプター11となれば政府は実質的に1000億ドル規模の出費を覚悟しなければならない」と揺さぶりをかけている。1000億ドルを考えれば300億ドルなら安いだろ、と主張しているワケ。

300億ドルを投じたら再建できるかとなれば、首を傾げる関係者が多い。UAWとの交渉も進んでおらず、安くて信頼性の高い新型車を開発している気配もなし。300億ドル投入したところで、さらに巨額の負債を残して破綻する可能性大。オバマ大統領がここで300億ドル出すと決めたら、マーケットは失望するに違いない。ビッグ3のカタを付けない限り、底など見えぬ。

一方、我が国の自動車産業を見ると、どうやら回復の兆しが見え始めてきたかもしれない。例えば現在平均して100日分とも言われるトヨタの過剰在庫は、順調と言えないまでも見通しついてきたらしく、一部車種
を除き夏前に適正水準に戻せそうだと言われ始めた。トヨタほどの在庫を抱えずに済んだホンダは、ゴールデンウィーク明けにも工場稼働率の増加が期待できそうな雰囲気。
            

ただ消費意欲弱く、平均購買単価も低い。この状況が少なくとも2年くらい続くことだろう。そのあ
たりを見越し、自動車メーカーは格安の特別仕様車などを出してくるんじゃなかろうか。おそらく今年の流行は「新型車より超お買い得仕様」になると思う。と
りあえず現行プリウスの継続生産モデルがどのくらいの金額を付けてくるのか注目したい。

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