新型コロナで投入される「はくおう」、超大活躍の自衛艦です!

武漢から帰国した邦人の滞在用として自衛隊管理の『はくおう』を投入することとなった。このフネ、潮風系の私からすれば(ボート・オブ・ザ・イヤーの選考委員です)、絶妙の運用である。何と言ってもフネとしちゃ素晴らしく速い! 6万5千馬力×2基(戦艦大和は計15万馬力)のV18ターボディーゼルで巡航29ノット。試験では32ノットくらい出たそうな!

写真/自衛隊

巡航で29ノットはもちろん当時世界一! 今は同じ新日本海フェリーが「はまなす」という30,5ノットで巡航可能なフネを運行させているけれど、速いです! 下のフネはこのタイプじゃ高い性能持つ(520馬力)トヨタのポーナム31。最高速38ノットとなっているが、連続して出せるのは30ノット程度。2時間以上走らせようとしたら、28ノットくらいまでが現実的だ。

外洋ではくおうと勝負したら絶対勝てない! 通常は明石に停泊しているのだけれど、24時間で1300kmくらい移動可能。素晴らしいのはトラック120台+乗用車80台を運ぶ能力持つことだ。そして全長200mを切る199,5m。200mを超えると「巨大船」という扱いになり気軽に運航できない。大出力スラスターを持つため離着岸時タグボート不要。速くて荷物運べてどこにでも行ける!

このフネを2016年に自衛隊は20億円で引き取った。用途は訓練などの時、人や装備を運ぶためである。輸送艦「おおすみ」と比べ、速度から運送能力に至るまで全てのスペックで勝るから素晴らしい。劣るのは防御能力くらいです。そんなはくおう、転機は2018年7月に広島で発生した豪雨被害である(それまでは自衛官や装備を運ぶために使われていた)。

写真/自衛隊

三原港に入り、入浴支援を行ったところ大好評。続く岡山の洪水(8月)でも支援に向かい、この時は宿泊施設として使い食事まで提供した。翌9月には北海道の地震支援。苫小牧に派遣され、入浴支援や洗濯機の利用、さらに音楽隊の演奏を行った。このあたりではくおうのポテンシャルを防衛庁全体が認識したと思う。そして今回新型コロナであります。

写真/自衛隊

災害支援用として考えたらこんな素晴らしいフネはない! 速いしどこの港にも入れるし(喫水7,3m)、支援物資だって運べる。ジツは新日本海フェリー時代の兄弟船「すいせん」が現役を引退し余っている。これも改良し日本は持っていない病院船を作ったらいかがか。普段は災害支援に使えるようにしておけば「戦争しない国に病院船など不要!」という声も気にしなくていい。

でなければ大型トレーラーの中に手術設備などをセットし、それを災害時フェリーに搭載し現地に派遣するのもいい。大型船は電力供給能力が高いため、小さい街として機能します。ちなみに「艦」は武装しているフネに付けられる。ただ軍に属していると「砕氷艦」のように呼ばれる。はたまた軍に属していても病院船。はくおうは「支援船」という区分が適当か?

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