日産曰く「ガソリンスタンドの平均滞在時間は14分。新型リーフだと250km走れます!」

ここにきてメディアの信頼性が揺らいできている。メディア側の立場からすれば、いくつか理由を説明出来る。1)一番大きいのはビジネス。お金貰っているところをとりあえずアゲておく。2)二番目に大きいのがイデオロギー。イスラエルがイランにミサイル撃ち込んだ報道を見ると、どっちが正しいのか解らない。3)そして報じる側に正しい判断能力が無い、です。

ホイールベース2690mm。ファストバックセダンです

ここにきてAIに記事を書かせているメディアも出てきた。AIが正しいとは限らない。そいつを検証できなければ間違った内容になってしまう。閑話休題。日産は新型リーフのティザーを始めているのだけれど「ガソリンスタンドの平均滞在時間は14分。14分の急速充電で250km走れます」とアピールしている。そいつを「凄いぞ!」とアゲアゲの記事が多数。

ARIYAのホイールベースは2775mm

まず「落ち着け!」と言いたい。ガソリスタンドに14分なんかいるか? ここにきてスタンドの数が減ってきたこともあり、次のクルマのため入れたらすぐ出る。カード差し込んで油種選んでノズル入れるまでに1分半。給油に2分。ノズル戻してゲーム始まる給油機でも1分で紙出てきてオシマイ。3~4分というところだろう。どうやったら14分も掛かるんでしょ。

ロングドライブの時の給油を言っているのなら、航続距離500kmあれば途中で食事&トイレ休憩する。その時は20分以上休むだろうから(むしろ高速道路で高いガソリンなんか入れない)、14分にこだわることもなかろう。電気自動車乗りなら御存知の通り、14分で250km走れるだけの電力を入れられる急速充電器の数は少ない。人気あるから混んでるし。

まった英語! カッコいいと思ってるんだろうか?

14分の急速充電だって給油と同じく認証や充電カプラーの差し込みなどあるし、そもそも待たされることだって少なからずある。14分で250kmは筑波サーキットのラップタイムみたいなもので、理想。それを「ガソリンスタンドの滞在時間で250km」と言い、そいつを真に受けて報道しちゃうのはフェアじゃないと電気自動車肯定派の私ですら考える。

新型リーフをアゲたい気持ちは理解出来るけれど、そんなことにダマされる人っていない。メディアの評価を落とすだけだ。新型リーフを応援できるかどうかは価格だと考える。前回も書いた通りARIYAがベース。加えて我が国の電気自動車の、あまり良くない評価はリーフが作った。電池容量をユーザーにさえ教えず、査定は2束3文。初代買ったら人柱です。

新型リーフは52.9kWhと75.1kWhという2タイプ。奇しくもbZ4X改の57.7kWh/74.7kWhと似ている。新型リーフの75.1kWhは航続距離600km以上。bZ4Xの74.7kWhが700km超えとなっている。そしてbZ4Xの57.7kWhの場合、補助金使うと400万円前後と言うから、500万円切りで間違いなし。新型リーフ、DセグのbZ4Xに対しCセグだろうから、450万円スタートか?

改良型bZ4Xのスペック

450万円(現行モデルは408万円スタート)なら日産の補助金は89万円なので実質的に360万円くらいで買える。ここが防衛ライン。これ以上高ければ厳しいビジネスになるだろう。逆に充電器付きで(ぷっ!)450万円を下回ってきたらスタートラインに付けるんじゃなかろうか。ちなみにクルマの仕上がりは全く心配していない。日産のモーター制御技術、世界TOP級です。

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11 Responses to “日産曰く「ガソリンスタンドの平均滞在時間は14分。新型リーフだと250km走れます!」”

  1. アミーゴ5号リリボーン より:

    技術スペックなるものは、様々な前提と環境等の全て条件が揃って初めて発揮される性能だと認識しております。

    要はポーカーでのロイヤルストレートフラッシュくらい、一般的ではないということ。

    キーッの日産、ブラックサタンのマツダ、そして夢追い社長のホンダあたりが、技術スペックをそのまま実用性能のように説明していたと感じておりました。

    実生活に投影してPRするなら、実用性能でアピールして欲しいですよね。

    新型リーフは、バッテリーに日産独自のブレークスルーを織り込んだのかしら? 今PRしているのが実用性能で、十年間維持されたら良いのになあ、と妄想しております。はい。

  2. kuz より:

    ベストカーの予想は「52.9kWh仕様は550万〜580万円、75.1kWh仕様は600万〜650万円」だそうです。
    まぁメディアはクルマの売れ行きなんか知ったこっちゃないとは言えなかなかシビれますね。これが適正価格みたいに言ってるのが怖いです。

  3. ぶひ より:

    スタイルはSUVに寄せてきたみたいですね。
    良かった。

  4. ARI より:

    400万円、500万円の車かぁ。
    ごく普通の一般庶民は買えません。
    もう庶民は中古しか買わなくなるんでしょうね。

  5. あれれ より:

    国沢さんがセダンと言ってたけど、5ドアハッチバックになりましたね。

  6. 緋色@AP1 より:

    平均14分??何しているんでしょうね。

    セルフだと連続給油の量と時間が設定されていますよね。消防法の関係で、100Lもしくは4分まで(給油速度は30~35L/分)らしいです。
    残り10分、何するのでしょうか・・・。

    14分のデータの根拠(どういった場所・作業内容で、いくつのデータから平均をとった)も一緒に示してほしいです。

    電気自動車の給電時間はガソリン車に対してディスアドバンテージなポイントだと思っています。
    そこを改善するという主張でこういった怪しい(笑)データを出されると、ほかも信用ならなく感じてしまします(ただの電気自動車嫌いかもですが)。

  7. Jun より:

    >ガソリンスタンドの平均滞在時間は14分。

    広告代理店としては、インパクト重視でこのようなコピーにしたのでしょうが…世界でもいち早くEVが日常化した日本で、それもEV購入者の考えは既に成熟していると思うんですよね。だからコレはマイナスイメージすら与えかねないのでは?

    新型リーフですが、米C&Dでは最安モデルで500万円位を想定しているようで。日本での販売価格は微妙なことになりそうです。
    どうも…ディザー広告の時から、興味が沸かないデザインで、発表後も典型的なEVっていう感じで、厳しそうですね。
    最近、イギリスの自動車市場ではEV人気に陰りが見え始めているように感じています。EV新車の大幅値引きも常体化しているようで、中国メーカーEVの新車が登録後新古車として大量に流れているとの噂話も。イギリスの場合、EVに走行を限定しようとしているロンドン都市部の充電インフラが整わない事が、普及の一番の弊害になっているようにも。これは日本と似ているかも。会社で契約したEVのリース期間が切れる頃になると、高級ブランドの中古EVが大量に出回るようになると思うのですが、これらの高級中古EVにニーズがあるのかどうか…。僕はメンテ費用が怖くて手が出せないかも。

  8. 鷹巣 より:

    テールレンズの2-3で、日産
    リーフの一番のポイントここですかね。

  9. ZEAL より:

    先の投稿では新型リーフはセダンだと書いてあったけどやはりリアハッチが付いたクロスオーバーだったですね。
    他の雑誌では次期リーフはクロスオーバーとあったのでセダンと聞いてアレと思ってましたがやはり間違えでしたか。

  10. 昔のベストカー読者 より:

    自分はEV購入する条件を満たしていないので 現在ショッピングリストにEVは載って来ませんけど
    業界の皆さん関係省庁含めてEV販売を増やしたいのなら
    例えば 歯科治療の医療費控除じゃないですけど
    上限、200万円位の所得控除ぐらいやらないと
     400万円~800万円 する電気自動車
    日本国内で購入しようなんて 一般人は動機付けされないと思いますね 自分がそう思います。
    日本の夏 もう毎年酷暑ですが EVは車体がエンジン車より熱を出さない所は 凄く好ましいです
    出足の良さと 過剰に熱くならない車体は好きですね。

  11. 江市 より:

    Leafに限らないことですが、e-Pedalで完全停止することを国交省が認可しないのでできなくなったとの噂を耳にしました。ぜひ、取り上げてほしい案件です。

    外車のEVはOKなのに、日本車はダメってどういうことなんでしょう。

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