政府が「パナマ運河を通って日本に石油を運ぶ」と言ってるが90万バレルしか積めない。毎日4隻必要

我が国の政府は石油製品の流通量について「来年まで何の問題も無い」と言っている。不足する素材や油種が出ているのは、ため込んでいるヤツらのせいらしい。そして26日にもアメリカの石油を積んだタンカーがパナマ運河経由で千葉に着くそうな。調べてみると確かに26日の8時に『OTIS』という274mのタンカーが京葉シーバース(タンカー用の係留地)に着く。

東京湾のど真ん中にある京葉シーバース

詳しく調べてみたら、パナマックス(パナマ運河を通れる最大サイズ)の中型タンカーだ。全幅48m。喫水14.3mに限定されるため原油積載量も90万バレルとなり、ホルムズ海峡を通ってやってるフルサイズタンカーの300万バレルに遠く及ばない。日本の原油消費量である330万バレルの4分の1程度。OTIS級のタンカーなら毎日4隻ベースで用船しなければならない。

なのに東京湾で言えば京葉シーバースと根岸に入ってくる海外からのタンカー4月はもう無し。5月になれば高市首相の「心配ない!」の通り増えるのかもしれないが、中型タンカーやマレーシア&シンガポール沖での瀬取り分を含めたって半分行けば御の字。もちろんナフサやエンジンオイルのベースになるような油種は調達が難しいまんまだ。どこから楽観的な見通しが出てくる?

備蓄を切り崩せば6ヶ月くらい持つ

参考までに書いておくと、4月25日時点で日本に向かっている21隻のタンカーが運んでいる原油は合計で3300万バレル程度。日本の需要の10日分である。これ以上増やすことはタンカーの用船を考えたら難しいかもしれない。現時点のIEA基準で210日分とされる原油備蓄は4億6000万バレルで、日本の需要を330万バレル/日とすれば140日分。現在の輸入ペースだと180日くらい持つ。

ただ「石油製品」と言ってもバラエティに富む。現在不足しているナフサはアメリカの原油だと取り分が多いため少しだけ緩和されるかもしれない。一方、昨日紹介したディーゼルエンジン用のベースオイルは厳しい(ガソリンエンジン用は日本でも作っている)。もっといえば、実際どんな石油製品が足りなくなるか、おそらく誰も解ってないんじゃなかろうか。

しかもアメリカから買う石油って高い。瀬取りで持ってくる石油も高い。サウジアラビアなんか「特殊事情のため契約通りの石油調達は出来ない」と宣言した。どう考えたって厳しいのに、文頭の通り政府は「問題ない」の一点張り。どこから出てくる自信なんでしょ? ちなみにコンタクトレンズと来月交換するフネ用のディーゼルエンジンオイル20Lは入手出来た。

石油製品の値上がりについちゃ避けられまい。国がすべきは節約の推奨です。

<おすすめ記事>

コメントを残す

このページの先頭へ