今一番盛り上がっているのが水素エンジンや合成燃料使うスーパー耐久レースのST-Qクラス

今週末に開催されるスーパー耐久の富士24時間レースは驚くほどの盛り上がりを見せている。なんせ取材メディア数ハンパ無し! 総数は解らないけれど最近じゃ珍しくモータースポーツメディアより自動車専門メディアの方が多い--という話じゃなく一般メディアはさらに多いのだった。なぜか? モリゾウ選手が話題をたっくさん作り上げているからだ。まぁアイデアマンです!

昨シーズンは水素エンジンという環境対応パワーユニットを搭載してレースに出ていたのはトヨタだけだった。シーズン中盤のレース中に於けるメディア会見で「他のメーカーにも声を掛け同じような環境パワーユニットでクラスを作ったらいかがか?」という質問を受ける。すると「当然考えてます」。するとどうよ! どうやら中村社長に「勝負しよう!」と言ったらしい。

内容が面白い! 86とBRZは同じクルマだ。モリゾウさん「水平対向エンジンはスバルの得意技術だから環境対応燃料を使ってください。ウチはこれから直列3気筒の1400ccターボエンジンを開発するので勝負しましょう」。1400ccという排気量、モータースポーツに於けるターボ係数1.7を考慮したもの。1400ccに1.7を掛けたら2400ccですから。スバル得意の水平対向vs新開発のターボという図式。

スバルのエンジン開発陣からすれば文字通り「負けられない戦い!」である。もちろんトヨタだって負けたくない。なんたって社長肝いりの勝負だ。そもそも自動車屋さんは勝負好きが少なくない。そこに社長から「やれ!」と言われたら最高のプレゼントです。昨年末、GRの佐藤プレジデントと、スバル開発のTOPである藤貫さんと3人で雑談した際、この話で「負けられないですよね~」。

ちなみに今年の開幕戦は蒲生選手駆るGR86が2分19秒620。井口選手のBRZ2分21秒605。5時間耐久レースは燃費の良いBRZ優位かと思われたけれど、本番も負けた。スバルの開発陣は他の部門から激しいブーイングを喰らったらしく、24時間レースに向け真剣なエンジン開発を行うと同時に、空力の専門家を投入して冷却の対策なども行ってきたという。果たしていかに?

そしてモリゾウさん、マツダの丸本さんにも「出ませんか?」と誘ったらしい。鈴鹿にバイオディーゼル燃料を使うデミオをST-Qクラスに出してきた。当然の如く速さじゃ全くかなわない。そんな状況を見てスイッチ入ったのだろう。開幕戦の記者会見で「300馬力の2200ccディーゼルをバイオ燃料仕様にして後半戦から走らせます。負けたくない」だって(笑)。

ステキ過ぎる! 技術は競ることによって急激に伸びますから。これがモータースポーツの意義だと思う。残念なことにそういった話にホンダは乗らなかった。ホンダ、社内チームでシビック・タイプRを走らせている。燃料をインディなどでノウハウのあるメタノールにしてST-Qクラスで勝負したらいいのに。木立さんに言ったら「やりたいです。でもやらせてくれないんですよ~」。

シビックの鈴鹿ラウンド予選は2分19秒643だから、GR86やBRZと好勝負。メタノール燃料は若干パワーハンデあるものの、2000ccターボなら同じくらいの勝負になると思う。これに日産が乗り込んできたらさらに面白いけれど内田さん、乗りが悪いようだ。ということで盛り上がり必至の富士24時間レース、当日券もあるようだからお時間あったら見に行ったらいかがか?

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