報道は厳しいけれど

ここ数日、世界的に日本車の販売落ち、韓国勢躍進し、高級車部門でもレクサスの凋落を伝えるニュースが流れてい
る。悪意を持った報道としか思えない。私も日本車の危機を書くけれど、こらもう2〜3年後のこと。「今のままだと明らかに厳しくなるので早い時期に対応を
始めなければならない」です。

現在販売が落ちているのは震災の影響。こう書くと「世界中の自動車メーカーの工場が止まったので
は?」と思う人もいるだろうけれど、そんなことない。日本の生産減に対し、酷かったメーカーでも10%くらいの影響。日本勢はほぼ2ヶ月に渡って完全ス
トップし、4ヶ月経ってやっとフル生産が見えてきた。

ディーラーに行っても「いつになるか解りません」。日本国内ならそれだっていい。ライバルメーカーも同じ状況ですから。いや、国内ですら新車不足に陥った東北地方で輸入車の売れ行きが大きく伸びた。ライバル車が普通に変える海外で日本車
の売れ行き落ちるのは当然である。むしろ落ち率は少ないな、と思ったほど。

すでに”ほぼ”正常の生産体制になりつつある(まだ100%
じゃない)。ただ部品は間に合っていない。海外工場の場合、流通に時間が掛かる。フネで運ぶと部品工場出荷から生産ラインまで早くて2週間。平均して
3〜4週間程度。つまり4週間の部品生産量を流通でストックすることになってしまう。

もちろん小さくて急がなくちゃならない部品は飛行機
で運ぶだろうが、そんなことしてたら採算ベースに乗らない。飛行機で1日分送り、20%増産してフネ便用のストックしたとする。すると5日間で1日分のス
トックにしかならない。4週間分貯め、全てフネ便にするには20%増産で140日くらい掛かると言うことです。

自動車も同じ。アメリカの
ように在庫を持たなくちゃ商売にならない地域だと、20%の増産を掛けても平常の状態まで3ヶ月くらい掛かると考えていい。つまり日本勢の売れ行きや収益
を評価できるのは早くて12月になる。ちなみにその時は増産に次ぐ増産で、素晴らしい数字が上がってくると考えていいだろう。

・ECOカーアジアは「燃料電池の普及はさらに遅れる

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2 Responses to “報道は厳しいけれど”

  1. アミーゴ5号 より:

    東海テレビの「セシウムさん」事件をみるにつけても、マスコミへの信頼や信憑性は低下していく一方です。
    東海テレビの今回の一件だけは、人として断じて許せません!
    (#`皿´)

  2. さね より:

    報道は厳しくてよいと思います。先生は自動車事情をよく知る人なので、事実にもとづいた見方かもしれませんが、一般の知らない人が聞いたことだけ報道するのもかなりの問題ありですが、この度の震災にしても楽観的かつ事実をねじ曲げた報道が多すぎます。事実を知った上でなお厳しい見方をする報道も大切だと思います。 もし自動車評論家の人が全部先生と同じ意見なら、自動車業界もちょっと問題だと思います。そうでないと思いますが。 あくまで予測であるし、あまり楽観的な見方はどうかと。今はそうかも知れませんが、一寸先は闇といいますから。

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