新世代パワーユニット

今や二酸化炭素排出量というより、エネルギーコストという観点から省燃費が重要になってきた。そんなことから次世代のパワーユニットとして有望なアイテムは六つくらい挙がっている。それぞれ長短があります。もっと言えば、技術の普及や広がりにより、最近解ってきたことも。以下、今後5年の流れなど。

1)ハイブリッド エンジン停止状態からアクセル踏んだ時の加速感は電池出力で決まる。容量少なく出力も小さい電池だと、微々たる加速しない。BMWですらアクセル全開から2秒経たないとフル加速しないのだった。車重に見合ったパワー持つ電池を搭載しない限り厳しい。やはり車重1,5トン以下が望ましい。

2)PHV ハイブリッドの弱点をカバーしようとすれば、パワフルな電池をある程度の容量を持たせて搭載しなければならない。車重1,5トンを元気よく加速させようとすれば、50馬力以上のモーターが必要。こいつをフルに稼働させようとすれば、3kWh以上の電池を積まなければならない。だったらPHVにした方がいい。

3)小排気量過給 ハイブリッドとPHVに代表される省燃費ガソリンエンジンとディーゼルの間を埋める存在。ある程度高出力で、ある程度燃費良いという特徴を持つ。ただディーゼルのコストダウンで飲み込まれてしまう可能性も。ガソリンの質で燃費も変わる。個人的にはワンポイントリリーフだと考えています。

4)低コストエンジン 安くシンプルに低燃費を追求した3気筒エンジン。多少質の悪い燃料にも耐えるし、使い勝手だって良い。新興国を中心に案外と需要あるんじゃなかろうか。いや、日米欧でもコミューターのようなクルマならアイドリングストップ付けるだけで20km/Lが見えてくる。再評価されていい。

5)ディーゼル 高価な噴射系やターボ、排気ガスの後処理にコストが掛かるため、小型車だと価格的に厳しくなってくる。車重1,5トン以上で、しかもハイブリッドより有利だと言うことを考えれば、Dセグメント(アテンザ級)以上が望ましい。逆に1,5トン以上の車種ならディーゼルが本命だと考えてよかろう。

6)電気 長距離走行や、寿命という点で難しい。100km以上の距離を走る機会の多い人や、20万km以上乗るような使い方には向かない。逆に車両価格が下がれば、100km以内&10万kmくらいの使い方だと電気自動車がエネルギーコストまで含めた総合コストは最も少なくなる可能性が出てきた。

不思議なことに新技術には「アンチ」が存在する。ハイブリッドの黎明期にもトンチンカンな批判はたくさんあった。最近は電気自動車がやり玉に挙がっているようだ。下で一例を紹介しておきます。それぞれの得意分野を伸ばしながら、様々な可能性を模索しなければならない時代になったと思います。

・リーフの乗り方は「悪意を感じる批判が多い

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3 Responses to “新世代パワーユニット”

  1. 白木 晴幸 より:

    リーフも含めてEVの技術にはまだまだイロんな方向性があると思います。
    アメリカ政府はシェールガス発電で充電スタンドのインフラを拡充させる政策にシフトしようとしています。
    アメリカ大陸をEVが走破する時代がやってくるかもしれないのです。
    EVにはそれくらいの未知の技術があると思います。

  2. さね より:

    難しいなぁ… 将来の自動車の未来か。アンチじゃないですがHVやPHVなど2つの動力で低燃費にするのは無駄だし重くなるし、電池が進歩したら無くなるような気がします。 ただ動力性能を上げるカーズ?のようなターボみたいな存在感で生き残って行く気もしますが素直にターボでいいか… 最終的には燃料電池車が理想な気がしますが、サッパリ話題にならないなぁ最近。開発研究は続いてるようですけど。 クリーンディーゼルやガソリン車の名前忘れましたが画期的な技術の奴、電気自動車と燃料電池車になるんじゃないですかねぇ… 素人には分かりませんけど。それとも全く違う方向にいくかもなぁ。空気で動くとか…できたとしても無いか(笑)まあ国の国益や利権争いや、巨大な力を持つ石油業界などいろいろな力がはたらけら、当面、全く新しい技術がでない間は先生のおっしゃるとうりディーゼルか、電気自動車やPHV、安い三発エンジンかもなあ。ユーザーとしてはディーゼル車が安心かな。電池進歩して性能が変わられたらなんとなくガクッときそうだし(笑)

  3. G35X より:

    「ハイブリッド - エンジン停止状態からアクセル踏んだ時の加速感は電池出力で決まる」... 加速感は駆動機のトルクと回転数、即ち馬力、により決まるので当然大きなモーター、大容量の電池が有利ですが、もう一つHVの駆動形式によるところもあると思います。 カムリHVを所有していますが、混雑した高速道路にほとんど停止状態から進入する際に危険な思いをしたことがありません。もちろんインフィニティG35Xほどの強烈な加速力はありませんが... もし、BMWのHVにかったるい思いをされたのであれば、BMWは出力軸に同軸か歯車を介して直結で電動機が車輪を駆動しているのでしょう。 一方、トヨタのプリウス方式はICEと電動機が遊星歯車で結ばれ、両者の回転数とトルクの組み合わせは無限です。 BMW(ホンダ、現代も同様?)では車速が上がれば電動機の回転数も上がり、フルアクセルでトルクを維持するためには馬力の大きい電動機と強力な電源が必要であることは国沢さんの仰るとおりです。 プリウス方式では電動機がトルクの大きい低回転でICEの立ち上がりと回転数上昇を補助するので、車の加速感は損なわれないのではないでしょうか? 複数のトルク源を一つの出力軸に、さらに電動機と発電機の二役をクラッチなしでまとめるプリウス方式は実に良くできていると思います。

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