サプライヤーも中国へ

2日目はJETRO主催のサプライヤー展に行ってみた。すると驚くほど盛況。日系部品メーカー224社(少数の香港と台湾ベースのメーカーも含む。日本勢は193社)がブースを出している。聞けば昨年の不況以来、日本のサプライヤーは非常に厳しい状況。もはや中国無しで成り立たなくなりつつあるようだ。なぜか?

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広州ショーの隣の建物

例えば自動車メーカーに電装品などをアッセンブリーで納入している大手のサプライヤーがあったとする。細かい部品についてはさらに二次下請けにオーダーするのだけれど、その際に基準となる工賃(賃金)は、驚いたことに大手サプライヤーでも1時間800円に達しないというのだ。

仮に「最低賃金を800円にしろ」と決まったら、二次下請けは工賃払うと赤字。利益を出せないドコロじゃない。日本で部品を作れないことを意味する。中国なら1時間200〜300円という賃金で済む。部品メーカーも中国で生産すれば利益を確保出来るということ。ということを今回サプライヤーの方から聞きました。

ちなみに現在どうしているのかというと「内職」なんだとか。内職の基本工賃は500円程度。最低賃金に縛られない業種がある、ということです。ただ器用な人だと、本来1時間500円の仕事内容を30分で終わらせるという。こうなると1時間1000円。月に10万円稼ぐ人もいるそうな。

最近は内職をする人も少なくなってきており、いよいよ中国に進出しなければダメだということなんだと思う。加えて販路も中国で広がりつつある。日本の生産台数は減少するも、中国についちゃまだまだ伸びる。極端に言えばサプライヤーはもはや日本を脱出しないと生き残れないのだ。

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オレンジ色の腕章の女性が通訳

なにかと厳しい立場にある独立行政法人であるジェトロも「存在感を出さねば危ない」と考えたのだろう。大量の通訳(ガイド)を配すなど気合い十分。されど日本の企業側の方が真剣。当然の如くそれぞれの企業単位で通訳を連れてきており、ジェトロ手配の通訳は手持ちぶさた。

私も声を掛けらました。聞けば前述の状況なんだとか。通訳は広州じゃ一流と言われる大学で日本語を学んだお嬢さん達で、2人連れて練り歩く。といっても私が部品の説明をする約だったりしますけど……。こういったイベントを機に優秀な若者が日系の企業に興味を持ってくれたらいいと思う。

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3 Responses to “サプライヤーも中国へ”

  1. ぱんだねこ より:

    こんばんは。
    勤め先は、中国にいくつか工場を持っていますが、つい最近1つに再編しました。車の需要は伸びず、リーマンショック以前は成長戦略にのって進めていたので、生産量のつじつまが合わなくなったとか。これは会社の戦略ミスですが、中国で品物を作らせると品質で泣かされることが多いです。良品に不良品を混ぜたり、わざわざ正確に測定しなくても明らかに寸法がおかしい部品をよこしたり・・・。
    中国にお願いしないとやっていけませんが、気をつけないとイタイ目にあう。日本も何とか内需で食べていけると良いのですが・・・。

  2. POW より:

    日本の製造企業は中国を無視しては生きられなくなりましたね。拡大していくチャレンジし甲斐のある中国市場で量を追い利益を出して、最先端レベルだが市場がしぼむ日本部門を生き永らえさせる。
    「本当はそうしたくないけど仕方ない」のが経営者の本音だと思います。
    もうひとつ、今の中国って日本の高度成長時代に似ていませんか。私の幼少期で実体験はないのですが・・、だとしたら。そういう時代に生まれてみたかったと心底思います。

  3. あーさん より:

    確かに中国の人件費は安いですが為替リスクと人件費の高騰は注視していかなければなりません。
    中国の人件費は2005年より2割以上上がっています。
    リーマンショック後、人件費の高騰は一服していますが中国の内需拡大が進めば上がるでしょう。
    人民元は対ドルでは2005年より2割上がっています。
    長期的に見ると人民元は2、3倍に上がっていくでしょう。
    中国生産は中国国内向けになり、日本への輸出メリットは10年以内になくなるでしょう。
    人民元の高騰しだいでは輸入したほうが安くなるかも知れません。

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