ルノーによる日産に経営統合案、完璧な植民地政策です! 酷いモンだ

ルノーは「経営統合」という聞こえの良い日産支配戦略を行うつもりである。カタチとしてはルノーも日産も、持ち株会社に下につくから対等に見えます。問題は持ち株会社の経営だ。ルノー曰く「ルノーと日産と半々で」と主張しているらしい。このこと自体「冗談言ってるのか?」でしょう! そもそもルノーは日産の株の43%しか持っていない。

加えてルノーより日産の方が大きく、利益だって圧倒的に高い。なのに、どうして持ち株会社はルノーと日産で半々なのか? 会社の規模など考えたら、日産66%のルノー33%くらいだだろう。最初の設定からして日本をナメてるとしか思えない。もう一つ。現状「ルノーは日産の経営に口を出さない」ということを決めている『RAMA』という協定がある。

日産が持ち株会社の下になると、当然ながら経営にだって口出ししてくることだろう。日産を完全な植民地にしようということです。西川さんは断ったということだけれど、当然のことかと。一方、ルノーからすれば日産との経営統合をしなければ将来が見えなくなる。すでに自社開発の技術はルノーブランドで販売してるクルマの30%くらいしかないそうな。

もし日産が今までより独自性を追求し始めると、ルノーは「アタマを下げて日産にプラットフォームやパワーユニットの提供を頼まなくちゃならない」という、誇り高きフランス人にとっちゃ最悪の事態になってしまう。参考までに書いておくと、今までは日産からすると、日産の代表であるゴーンさんの「ルノーにも技術を提供してやれ」というオーダー。

気分的には「ゴーンさんから出た業務命令」のため悪くないし、日産の技術者に聞くと「多少ルノー側のプライドの高さにムカッと来ますが、全体的には日産優位という雰囲気のため関係も悪くなかったです」。持ち株会社になり、ルノー陣営が業務命令を出すと、従わなければならない。日産や日本人が働き、ルノーやフランス政府に貢献させられるワケ。

日産/日本国としては現状維持が最も好ましい。ルノーの持ち株比率は43%のため、本来なら日産とルノー側の取締役の人数は常に日産が多くなければならず(今までは日産もルノーもなく、100%ゴーンさん人事です)、経営の独自性を打ち出せる。そしてルノーやフランス政府は日産の経営に口を出してはならないというRAMAを尊重しなくちゃならない。

これを破ろうとしたら(経営統合案の強要もRAMA違反になる)、ルノーの株を5%買い増してルノーの議決権を消滅されるしかありません。ということを日産も狙っている。タフネゴシエーターであるフランスを相手に上手く立ち回れるかどうかが問題です。日本政府のケツ持ちも必要。そして次世代の日産を作って行く人達をどうするかこそ、大きな課題です。

 

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