京都議定書失効

我が国が懸命になって二酸化炭素の排出量を減らそうと頑張ってきたのは、1997年のCOP3で決まった京都議定書による「2008年〜2012年までに1990年比で6%の削減を行う」という約束による。結果的に約束を守れず、我が国は大量の二酸化炭素排出権を買わされることになった。お金払えばOKなのだ。

もちろん日本は世界で最も多くの排出権を買わされた国になり、5年間で支払った金額は1兆円に届くイキオイ。ただ最近になって排出権の相場が暴落しており、今やビジネスにならない状況。すると世界規模で二酸化炭素削減についての話は消えてしまう。なんのことはない。誰かが儲かるストーリーだったワケ。

ここまで読んで「京都議定書の期間終わる2013年からどうなるのか?」と思うだろう。カモにされたことを悟った日本は次の約束しておらず。我が国の為政者もやっとオロカさに気づいたらしい。意外に思うだろうけれど2013年を迎えた瞬間、二酸化炭素を排出することによるペナルティが全く無くなってしまう。

したがって2013年以降は地球温暖化というよりエネルギー問題だ。もう少し詳しく書くと、エネルギーコストの問題です。アメリカなど明確。自給自足可能な天然ガスを次世代エネルギーのベースにしようとしている。シェールガスが大量に採れるようになった途端、再開を検討していた原発の計画は全て凍結された。

さすがに「二酸化炭素を出しまくる」というのはインテリじゃないということなんだろう。天然ガスにより節約出来るエネルギーコストで太陽光や風力発電などを開発していくようだ。石油は燃費を大幅に向上させることにより、今後も使っていくという流れ。クルマは電気と石油燃料の両方を使う、ということです。

例によって日本は軸足が定まっていない。未だに京都議定書を持ち出し地球温暖化防止を訴える勢力まである。「ゼロエミッション」というキレイに感じる文言は、何ら意味を持たない。そろそろ「エネルギーコスト」について真剣に考えたらいい。もちろん原発のコストを考えるならゴミの処理費用まで含めるべき。

・ECOカーアジアは「2013年度の補助金は未定

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One Response to “京都議定書失効”

  1. 小林 英弘 より:

    国沢さんが繰り返し述べられている「エネルギー問題」ですね。全くその通りだと思います。
    しかし自民党政権は早くも原発に関して「現状維持」を表明しましたね。メディアは「解釈次第では新規原発建設とも受け取れる」と色々な報道をしてました。
    「原発ゴミ」の事までちゃんと考えてくれているといいのですが…。

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